鳥取と私と心理学と

2018年10月26日 投稿者:横畑 泰希

 「スタバはないけど、日本一のスナバはある!」という、少し寒いダジャレをお聞きになったことはありますか?鳥取県の平井知事が、よく口にしていたフレーズです。スタバというのはあの有名はコーヒーチェーン、スナバというのは鳥取砂丘のことです。首都圏にお住いの方には想像もできないかもしれませんが、2015年まで鳥取県にはスタバが出店されていませんでした。しかも、セブンイレブンも同年まで出店されていなかったので、全国を席巻する二大巨頭の両方ともが、つい最近まで存在しない唯一の都道府県だったのです。ないことをウリにするという自虐的なアピールが功を奏し、鳥取県の知名度もだいぶ上がったように思います。
 私の苗字である橫畑のルーツは、その鳥取県にあります。私自身は東京生まれの東京育ちですが、先祖代々は鳥取の山奥にある集落の在でした。鳥取県日野郡日野町板井原というのがそれです。現在は、この集落で橫畑を名乗る家は残っていませんが、先祖代々のお墓がまだ残っています。毎年1回は必ず、そのお墓参り(掃除)に訪れるようにしています。たいていはお盆の前後ですが、今年は10月中旬に行ってきました。墓石をすっかり覆いつくしている草を刈り、掃除が終わった状態が写真です。写真左手は崖になっているのですが、柵が設置されているわけでもなく、かなりの危険が伴うお墓参りです。
 先ほども言いましたが、私自身は東京生まれの東京育ちですから、この鳥取に住んだことはありません。親から話は聞いていたものの、実際に初めて訪れたのは30歳を過ぎた頃でした。ところがその時、初めて訪れたにも拘わらず、「あぁ帰ってきた」という意識が湧いてきたのです。それは今でもはっきりと覚えていますし、実に不思議でした。この現象を説明しようとすれば、デジャブ(既視感)、刷り込み、先入観など、色々な概念が当てはめられる気がします。深層的な無意識世界にある何かが作用したとも解釈できるかもしれません。そういえば、著名な心理学者であるユングは、その種族や民族に共通する無意識として、「集合的無意識」なるものが存在すると言っています。自分自身の意識世界でありながら、時には自分自身でさえ分からなくなることがあります。ましてや、他者の心を了解することなど、間違いなく難しいはずです。しかし、その難しさが心理学の楽しさであることも間違いありません。

 

横畑先生写真

 

yokohata_taiki.jpg(切り取り)
横畑 泰希(Taiki Yokohata)

プロフィール

専門:発達臨床心理学
略歴:淑徳大学大学院博士後期課程単位取得退学。臨床発達心理士。一般企業退職後、保育園や子育て支援施設で勤務。現在も心理相談、発達相談、カウンセリング、プレイセラピーに携わっている。