オレンジリボン運動を知っていますか

2018年11月16日 投稿者:渡辺 千歳

 オレンジリボンは日本では子どもの虐待防止を表しています。世界的にはさらに人種差別をなくす意味も加わります。オレンジは子どもたちの明るい未来を象徴する色です。
 日本でオレンジリボン運動が始まったのにはきっかけがありました。2004年に栃木県小山市で3歳と4歳の幼い兄弟が暴行の末殺害された事件です。東京で暮らしていたこの兄弟と父親は実家のある栃木県に移り、やがて知人の家の居候になります。同居によるストレスから知人は兄弟に暴力をふるい始めました。兄弟の様子を見かねて保育園や施設が一時的に保護しましたが、結局家に戻されます。そして最後は二人の遺体が川で発見されることとなったのです。連日、ワイドショーなどでマスコミが放送する大きな事件でした。
 当時私は栃木県の短大に勤務していました。事件現場は隣の市で、土地勘のある学生たちには動揺が広がりました。何よりも、兄弟の境遇は把握されていて手が差し伸べられたのにもかかわらず、最悪の事態を避けられなかったことに地域の人々はみな苦い思いをしたのでした。
 そして2005年、小山市のNPO法人がこのような事件が二度と起こらないようにとの願いを込めて、子ども虐待防止を目指すオレンジリボン運動を始めました。2006年からは、児童虐待防止全国ネットワークが総合窓口となり全国規模の運動へと発展して行きます。
 11月は児童虐待防止推進月間です。東京未来大学もこの運動に協力していて、足立区こども支援センターのオレンジリボン全国一斉街頭配布では学生たちがボランティアとして毎年参加します。ここで呼びかけているのは、ほんの少しでも子どもの虐待が疑われたら児童相談所に通告することです。電話番号は全国共通「189」。「いち早く」知らせてほしいという意味が込められています。もしかしたら虐待?と思ったら、ためらわずに電話をしてください。

オレンジリボン

 

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渡辺 千歳(Chitose Watanabe)
プロフィール
専門:発達心理学
略歴:お茶の水女子大学大学院博士課程修了。保健相談所の1歳6か月児ことばの相談や、足立区立保育園での発達支援児巡回相談など子育てや保育における発達臨床に携わっている。臨床発達心理士。