子育てを考える

2019年1月11日 投稿者:今井 康晴

 新年、あけましておめでとうございます。皆様には、健やかに新春を迎えられたことと、お慶び申し上げます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 

 私は、「保育原理」という授業を担当しております。「保育原理」では、保育の基礎となる思想・哲学、人物、歴史、発達、保育内容、保育方法など網羅的に学びますが、子どもの教育や保育、福祉に関する法律について講義します。なかでも教育基本法と児童福祉法の理解は必要不可欠であり、その一例を示しますと以下のようになります。(※紙面の関係上、一部抜粋しております)

 

※教育基本法※
(家庭教育)
第十条
2 国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。

 

(幼児期の教育)
第十一条 幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方公共団体は、幼児の健やかな成長に資する良好な環境の整備その他適当な方法によって、その振興に努めなければならない。

 

(学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)
第十三条 学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。

 

※児童福祉法※
第一条 すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。
2 すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。

 

第二条 国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。

 

第三条 前二条に規定するところは、児童の福祉を保障するための原理であり、この原理は、すべて児童に関する法令の施行にあたって、常に尊重されなければならない。

 

 このように両法律の内容には教育、保育、福祉、また子育ての根幹をなすものであります。このブログを読んで、ぜひ教育、保育、福祉に関わる法律の知識、理解を深めてください!

 

・・・

 

 と話はここで終わりません。抜粋した両法律ですが、なぜ一部分を載せたかというと、共通して「国及び地方公共団体」という文言が使用されています。つまり、教育、保育、福祉はもとより子育て、家庭など子どもに関わる様々な事柄や課題は、社会全体で責任をもって対処し、支援するということが法律によって定められているということです。
 このことを念頭に置いた時、わが国の現状を顧みると、社会はその責任を果たしているでしょうか? 「子どもの声がうるさい」という理由で保育所の建設が断念されたり、「土地の値打ちが下がる」という理由で児童相談所の建設が反対されたり、耳を疑いたくなるようなニュースが散見されます。私的な都合を優先させ、社会としての義務を見失っているのではないでしょうか。
 わが国初の子育て支援政策として「エンゼルプラン」が挙げられます。この「エンゼルプラン」の意図するところは、エンゼル、すなわち子どもを「天使」に見立て、天使のような子どもいかに社会として育てていくかという計画(プラン)であります。しかし、いつから、子どもは天使ではなく、騒音やお荷物になってしまったのでしょうか。
 私は、子どもは天使であり、国の「未来」だと考えます。子育てをプライベートな問題、個人的な観点で捉えるのではなく、国の「未来」として真剣に考えることが必要ではないでしょうか。

 

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今井 康晴(Yasuharu Imai)
プロフィール
専門:教育学、保育学、教育課程、教育方法
略歴:広島大学大学院単位取得後満期退学。東広島市立小学校非常勤講師、武蔵野短期大学幼児教育学科専任講師を経て現職。保幼小連携、子育て支援についても研究中。