18歳参政権

2019年2月22日 投稿者:大西 斎

 皆さんのなかには、すでに18歳になり選挙権を得ている人がいると思います。従来は20歳に選挙権が与えられていました。これは、明治9年に法令で成年者を20歳と決めたからです。それを基に戦後20歳選挙権になったのです。20歳を成年者と決めた理由は、当時欧米では21歳を成年としている場合が多かったことと、我が国では、幕藩時代に15歳程度で元服して成人していた実態があり、その点を加味して決定されました。
 平成28年6月22日に、公職選挙法が改正され、18歳選挙権が付与されることになりました。このことは、①憲法改正国民投票法の投票年齢を18歳と制定したこと、②18歳投票権が世界的な趨勢であり(191カ国中167カ国〔公職選挙法改正時〕)、その流れを尊重したということです。
 ただ、欧米で選挙権が18歳になった背景は、18歳徴兵制における国民としての義務の履行を果たした結果として、権利としての参政権の付与が認められました。それは、若者が命をかけて国家のために働くという義務を満たしたから権利としての参政権が与えられたのであり、権利と義務は裏表において認められたものでもあるのです。
 我が国では、権利である選挙権(参政権)は18歳で与えられることになりましたが、義務である納税や、少年法などは未成年者として特別扱いしています。権利(選挙権)だけ与えて、義務を履行しなくていいのは世界で日本くらいです。
 私たちは有権者として自覚を持つ必要があります。選挙を棄権したりしないようにするなど地域社会や国、国際社会に対して責任ある行動をとらなければなりません。また、有権者としての正しい判断力の涵養とともにポピリズム(populism)に振り回されないしっかりしたメディア・リテラシ-(media literacy)をもつことの必要性があるといえましょう。一人一人の自覚こそがこれからの社会には求められていくのかも知れません。

 

大西先生教員ブログ
大西 斎(Hitoshi Onishi)
プロフィール
専門:憲法学
略歴:大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程修了、博士(国際公共政策)。九州産業大学国際文化学部教授を歴任して現職。エディンバラ大学客員研究員。憲法改正国民投票法、教育行政法制の研究に取り組んでいる。