大学で学ぶ「体育」って

2016年7月15日 投稿者:真家 英俊

こども保育・教育専攻の1年生は、全員が「体育実技」を必修科目として履修します。大学でも体育の授業があることに歓喜する学生がいる一方、中には「なんで大学に入ってまで体育を、、、」と憂鬱そうな表情をうかべる学生もちらほら。毎年、初回のガイダンスで見かける光景です。大学で学ぶ「体育」って、どんなものなのでしょう。

 

小学校から高校までの「体育」では、運動に親しむ資質や能力の育成、健康の維持増進、そして体力の向上や運動技術の習得を目的としています。もちろん、大学生にとっても、健康のために運動に親しむ態度を養い、体力を維持向上させることは必要です。保育者や教育者は体力勝負!なんて言葉も聞きますから。ただ、私が担当する体育の授業では、それに加え、運動場面での「言葉がけ」について考え、学んでほしいと思っています。

 

私の専門分野は運動生理学です。特に、身体運動を制御するメカニズム、運動が「上手く」実行されるしくみについて研究しています。たまに、「どうしたらバク転できますか?」といったような質問をうけることがありますが、そのときは決まって「練習しましょう!」と答えます。「えっ?そんな当たり前なこと…」と思ったでしょう。ヒトはどのような運動(動き)でも学習(経験、訓練や練習など)によって習得し、洗練されたものにしていきます。練習する時期によって習得の早さは異なりますが、基本的にはどんな運動も繰り返しおこなうことでできるようになり、上手くなるのです。

 

ここで重要なのは「繰り返しおこなう」こと。はじめは失敗ばかりかもしれませんが、それでも諦めずに練習することです。でも、失敗が続くと次第に嫌になって、面倒になって。そんなとき、失敗を励ましてくれる言葉、成功したら喜んでくれる、賞賛してくれる言葉があったらどうでしょう。失敗しても、もう一回挑戦する勇気が沸くかもしれません。もっと上手になろうという向上心が芽生えるかもしれません。そして、きっと自分を支え、勇気づけてくれた「言葉」は、周囲の人たちを支える力、勇気を与える力になるかもしれません。

 

得意・不得意関係なく、運動の中で「言葉」の力を実感し、将来はその「言葉」によって子ども達を支え、勇気づけられる存在となってほしいと願っています。そして、「体育」の授業がそのためのひとつの機会であれば担当教員としてうれしい限りです。

 

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真家 英俊(Hidetoshi Maie)
プロフィール

専門:運動生理学、スポーツバイオメカニクス

略歴:東京学芸大学大学院教育学研究科修了。体力医学研究所に所属後、三幸学園スポーツ系専門学校(東京/横浜)の教員を経て現職。