レシピや製作図の不思議

2017年5月12日 投稿者:木内 菜保子

これを読んでいる皆さんは、レシピを見て、お料理やお菓子作りができますか?製作図を見て、工作ができますか?私は、どれもかなりできます。しかも、かなり上手にできます(ただし、あくまで本人談)。

レシピや製作図の指示通りにすれば、すべての人が上手に完成にたどり着くのかというと、実はそうではありません。「やったことがないから失敗した」とか「よくやるから、うまくいった」など、聞いたことはありませんか?それはつまり、「慣れていること」が成功の鍵であることを示しています。しかし、実は、この「成功の鍵」、簡単には入手できません。「慣れ」なのだから、何回も、繰り返し、経験を積めばよいだろうと思われがちですが、「何度やっても、うまくいかない」などの言葉が示すように、「慣れる」ことにも「慣れる」ことができないこともあります。これじゃあ、八方塞じゃないか?!と、お料理や工作が自分からは遠い存在のものとなる人が少なくないことも頷けます。

さて、なぜこのようなことを書いたのかと言いますと、この「成功の鍵」の入手には、どうやら乳幼児期の経験がものをいうようなのです。乳幼児期の経験がどのように積み上げられているのかということが、その人の「想像過程」に影響を及ぼすようなのです。上の例でいうと、レシピや製作図に指示されていることは、その指示通りに、自分がやるべきことを想像して実行に移してこそ完成への経路をたどれます。しかし、想像することが難しい場合、指示されていることと同じ現象が目の前で起きないので、次の段階の指示内容へ進むことができないのです。レシピや製作図では、文章や図、写真で、細かく過程が書かれていますが、その内容理解ができても自分というフィルターを通って行動に移されると、結果が異なってしまうのです。わからないことはないのに、ちゃんと理解できているのに、その指示通りにできないという事態が起きるのです。不思議ですよね。

では、「成功の鍵」獲得は、どうすればよいのか?と答えが欲しくなることでしょう。ここでは秘密です。しかし「答えは、学問することにある」というヒントだけは書いておきますね。

 

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木内 菜保子(Naoko Kiuchi)
プロフィール
専門:幼児教育
略歴:岡山大学大学院教育学研究科学校教育専攻修了後、中国短期大学、川崎医療短期大学、関西福祉大学の非常勤講師を務め、2006年中国学園大学子ども学部専任講師、2010年同大学准教授を経て、2011年より現職。