自分にとっての専門性

2017年8月4日 投稿者:近藤 俊明

 自分が人生において何をやりたいか, 考え始めたのは高校生の頃だと思います。世界は広く, 人生には自分の知らない深いものがあり, それらを是非知りたいと思っていました。
その頃,将来は小説家になりたいと思い, トルストイや夏目漱石などを好んで読みました。そして卒業後, 東京にある大学のロシア文学科に進みました。
 しかし, 学生運動の盛んな頃でもあり(文学部自治会室で, 学生のリンチ殺人事件などもありました), 大学の勉強にはあまり真剣になれず, 3年生になる時は留年しました。当時は東西の冷戦時代であり, ロシア文学を学ぶ者として,東のリーダーであったソ連(現ロシア)を自分の目で見てみたいと思いました。
 一年間皿洗いをして資金を作り, 3月, ナホトカからシベリア鉄道に乗ってウラル山脈を超え, モスクワ, レニングラード, そして, キエフまで行きました。社会主義の統制下ではありましたが, 一月弱の一人旅でロシア人達の個人としての純朴さに触れました。
 大学の3年目からは, しかし, 哲学を専攻しました。当時盛んであった実存主義(その頃の哲学の中心は実存主義とマルクス主義)を学びたかったからです。 卒論は, キエルヶゴール全集を全て読んで書き上げました。B評価でした(笑)。しかし, それ以後, 彼の真に深く考え誠実に生きる人間の姿は, 私の人間観の一方の極になりました。
 大学卒業後の私の人生を端折ると, 3〜4年働いた後, 27歳で渡米。ニューヨークにて10年ほど大学・大学院で臨床心理学などを勉強, 学位と資格を取り, 10年ほど特別支援学校や病院, 心理クリニック(開業)などの仕事に従事。2001年帰国, という風になります。
 そして今も, 人が生きるとは何かということを考え続けています。一言で私が学んだことをまとめますと, 自分の専門というのはそれを本気で生きるということに他ならないのではないか, ということです。
 

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近藤 俊明(Toshiaki Kondo)
プロフィール
専門:臨床・学校心理学
略歴:早大一文、NY市立大学、ホフストラ大学臨床・学校心理学博士課程卒、学術博士、サイコロジスト(NY州免許)、臨床心理士。NY州にて、病院、特殊教育学校、開業等を経て現職。