犯罪心理学はなんのためにあるか?

2018年5月11日 投稿者:出口 保行

 毎日、全国各地でいろいろな犯罪が起きています。大きな事件が起きるたびにテレビ等のマスコミから出演を要請されてコメントを求められます。そこでよく聞かれるのは「先生、犯罪者ってどんな人なんですか?」。
 皆さんはどう思いますか?
 「犯罪者っぽいね」っていう表現に「黒いコートを着て、帽子をかぶり、サングラスをかけている」ってイメージや、「すぐに人を攻撃するようないかつい雰囲気」とかを連想しがちですが、そんなタイプは稀です。犯罪者という人がいるのではなく、普通の社会生活を送っている人が法を破れば犯罪者になっているだけ。つまり、私たちをと何も変わりはないのです。もちろん私たちも気を付けていないといつ犯罪者になるかわかりません。
 法を破ることは、絶対にないと言い切れる人は稀でしょう。自転車で歩道を走っている人はいませんか?横断歩道でないところで道を渡ったことがある人はいませんか?これらも立派に法を破っているという面では犯罪です。私たちも他人ごとではないのです。
 犯罪心理学は、こうした犯罪者の「犯罪に至る心理」を研究するものだと思われがちですが、実はその先にある犯罪者の「社会復帰をいかにさせるか」に焦点を当てています。講義の中で、学生たちは毎回事例を分析し、その先にある社会復帰をいかにさせるかを考えています。皆さんも事件に触れたとき、こうした視点で犯罪を、犯罪者をとらえてみてください。
 なによりも犯罪が繰り返されないために。
 

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出口 保行(Yasuyuki Deguchi)

プロフィール

専門:犯罪心理学、臨床心理学、青年心理学

略歴:大学院修了と同時に法務省に心理職として入省。全国の少年鑑別所や刑務所で犯罪者の心理分析を担当した。現在もマスコミにおける犯罪解説やバラエティ番組出演も多数。