「地域で子どもを育てる」とは?

2018年5月25日 投稿者:藤後 悦子

「地域で子どもを育てる」

 これは、近年の子育て支援のキーワードです。私自身の3人の子育てを振り返ってみても、核家族の子育ては想像以上に大変でした。私の実家は遠い九州。頼る人も周りにおらず、地域に溶け込むまでにかなり苦労しました。ですので、老若男女を問わず、どうすれば地域の方が子どもたちに関心を持ち、みんなで地域の子どもの育ちを支えることができるのかを考えることが私の博士論文のテーマでした。

 

 発達心理学では、親から子への愛情を母性や愛着などという概念で語ることが多いのですが、親子関係を超えた地域の子どもへのまなざしは、養護性という概念の当てはまりがよいように思えました。地域の子どもたちに対する養護性が育まれると、みんなで子育てという風土ができるのではないかと考えました。

 

 では、どうすれば「地域の子どもへの養護性」が形成されるのでしょうか?そのことを追求するために、子育て経験がある大人の人達にインタビューを行いました。すると自分の子どもを超えて地域の子どもへの養護性が高い人には特徴がありました。

 

1.幼少期に親以外の大人(地域の大人や親せき)から、声をかけてもらったり、

かわいがってもらった経験がある、

2.家庭がオープンで、様々な人の出入りがあった、

3. 異年齢で遊んだ経験があった、ということでした。

 

 1~3までの内容は、単純に見えますが、現代社会の中で保障していくのは案外大変なことです。しかし、このような経験を意図的に作ってあげないと、次の世代では、地域の大人として、地域の子どもたちへの養護性が育まれないかもしれないのです。それでは、どのような方法で?どのような形のものを?

 

 このように社会の問題を明らかにし、具体的に介入していく、これが私の専門とするコミュニティ心理学です。ぜひ皆さんも子どもが豊かに育つ社会を目指し、共にコミュニティ心理学や発達心理学を学んでいきましょう。

 

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藤後 悦子(Etsuko Togo)

プロフィール

専門:コミュニティ心理学

略歴:立教大学、 筑波大学大学院兼任講師を経て、現在に至る。学術博士(筑波大学)、臨床心理士。学校・保育・子育 て・スポーツ分野での臨床。放課後子ども教室や学童のスタッフ研修などを担当。