自分について考えるということ

2018年7月6日 投稿者:平部 正樹

 みなさん、こんにちは。こども心理専攻の平部です。臨床心理学を専門としています。

 

 さて、カウンセリングについて大学で授業をしていると、「カウンセラーに向いている人はどういう人ですか?」という質問を受けることがあります。この質問にどう答えるかは、人によってさまざまだと思います。私自身は、カウンセリングには向き不向きもありますが、トレーニングによる部分が大きいと思っています。その前提がありつつも、私はよく「自分について考えられる人」と答えます。

 

 カウンセリングは、悩んだり問題を抱えたりして相談に来た人(クライエント)に対して、会話などのコミュニケーションによって援助をします。援助をする際に、その対象であるクライエントのことを理解するのが大事だということは、分かりやすいと思います。しかし、それだけではだめです。カウンセラーは、クライエントのことと同じくらい、自分について考えなくてはいけません。クライエントとの関係の中で自分は何を感じているのか、自分はどのような考え方をしがちな人なのか、そもそもなぜ自分はカウンセリングで人を援助しているのか、などなど。カウンセリングは、カウンセラーとクライエントの関係性の中で成り立つ援助です。ですから、自分について考えることは、クライエントを理解することにつながります。自分自身に向き合わずにクライエントを援助することは、基本的にはできないのです。どのような援助でも自分についての理解は必要ですが、カウンセリングは、そういう要素のとりわけ強い援助だと言えます。

 

 カウンセラーであるということは、カウンセラーとしての自分自身のあり方について考え続けるということです。「自分について考えられる人」というのは、そういう意味です。トレーニングで、考える姿勢を身につけることもできます。大学の授業も、自分について考える機会になります。自分について考えることには苦しさもあるので、あまり急いで突き詰める必要はありません。少しずつ、自分のペースで考えることが大事です。

 

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平部 正樹(Masaki Hirabe)
プロフィール
専門:臨床心理学
略歴:早稲田大学大学院人間科学研究科修士課程修了。東邦大学助手、目白大学専任講師等を経て、現職。これまで、医療領域、教育領域、産業領域での心理臨床活動に従事してきている。