2015年から、日本に滞在している外国籍の子どもたちの教育問題について、他大学の先生、大学院生と一緒に研究チームを作り、研究をしています。自文化とは違う他文化で教育を受けるということは、色々な問題があります。文化や学校文化が違うだけではなく、母語とは全く違う言語である日本語で教育を受けることになるからです。
 言語には二つの能力があるといわれています。ひとつは、基本的な会話ができる程度の基本的コミュニケーション能力(basic interpersonal communicative skills BICS)や基本的対人伝達能力と言われる言語能力です。もう一つは抽象的なことを考えたり、理解したりする能力である学習に必要な認知的言語能力(cognitive academic language proficiency CALP)や認知的・学習言語能力といわれるものです。BICSは、だいたい3年ぐらいで修得することができ、日常会話には困らなくなります。でも、CALPは、 5年から 7~10年は修得するのにかかるといわれています。そのため、第二言語である日本語で学習するということは、外国人の児童・生徒にとってはとても大変なことだということが分かると思います。学校文化への適応の問題は様々ですが、授業についていけるほどの言語能力を身につけるのには、大変努力と時間がかかります。そのため、日本語能力がないために、低学力というレッテルをつけられ、自分に対して自信をなくしてしまう児童・生徒はたくさんいます。
 もう一つの問題点は、外国人児童・生徒に対して、差別意識があるということです。特に東南アジアから来た児童・生徒に対しては、無理解が原因で、いじめが発生することもあります。こういう経験をすると、子どもたちは自分の文化に自信が持てなくなり、どうせ勉強したって、高校へは進学できないしというように勉強への意欲がなくなってしまいます。
 ここで皆さんに考えてほしいことは、日本語が十分に理解できないからといって、学力が低いということではないということです。外国籍の子どもたちは、母語で豊かな知識をもっていることも多くあります。その人の能力を言語力だけでは判断しないでほしいと思います。
 また、日本で滞在している外国籍の子どもたちの多くは、経済的に恵まれてないことが多いです。両親、そして兄弟も朝早くから遅くまで働いていることが多いです。そうなると、家事をするのは、学校に通っている中学生や小学生の子どもたちです。子どもたちは、放課後、級友と遊ぶことが、家事をするため時間がありません。そして、子どもが家事をすることは、海外では当たり前のことも多いのです。自分たちの文化を基準に判断せず、ぜひ違う文化に対して、理解する視点を持ってほしいと思います。
 アメリカでは憲法が教育権について明記してはいないため、裁判の判例法により、自分たちの学習権を獲得していたという歴史があります。例えば、英語だけの授業では理解ができないからと訴訟をおこした中国人の中学生がいます。教育の機会は、均等に与えられるべきものです。このことは、覚えておいてほしいと思います。

 時々、なぜ外国人の子どもたちも公立の学校に通学できるのかという質問を受けることがあります。税金を払っていないのに、どうして入学できるのかという質問を受けることもあります。アメリカでも同様な意見がありましたが、連邦最高裁判所の判断により1982年以降すべての子どもが教育を受ける権利を保障されています。しかし、不法滞在の子どもの中には学校に行けていない例もあり、課題は残されています。
 皆さんも少し見方を変えてみましょう。もし、あなたが全く分からない言語を話す国で暮らし、現地の学校に通うことになり、何も分からない中で一日中クラスにいなければならなくなったことを想像してみてください。日本で暮らす外国籍の子どもたちのことが理解できると思います。また、海外で暮らしている多くの日本人の子どもたちは、現地の学校に通っています。その場合、外国人だからという理由で、追加の授業料を払う必要がない場合も多くあります。日本人の基準だけではなく、少し視点を広げ、大きな位置から物事を見てみませんか。そうすることによって、見えてくるものがあります。
 日本に来る外国人の数は、年々増加しています。これからもっともっと増えるでしょう。みなさんの日常生活の中で、異文化に触れる機会は多いと思います。自分の常識と違うことに出会った時、どうして?と疑問をもつようにしてください。そうすることによって、広い視野から、ものを見ることができるようになります。なかなか難しいことかもしれませんが、少し努力すればできますよ。そして、違う見方や価値観を身につけてほしいと思います。

 *アメリカの訴訟の詳細に関する情報は、研究グループの一人 一橋大学大学院博士後期課程 奴久妻駿介氏からの情報提供です。

 

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田中 真奈美(Manami Tanaka)

プロフィール

専門:国際多文化教育学
略歴:サンフランシスコ大学教育学部博士課程修了。サンフランシスコの保育所、小学校、高校、大学で教育経験を積む。研究領域は異文化適応の諸問題で、海外長期滞在者について研究している

 映画『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』で特殊メイクを担当した辻一弘氏が、2018年第90回アカデミー賞でメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しました。日本人が個人としてオスカーを手にしたのは25年ぶりということもあって、たいへん大きな話題となりました。
 辻一弘氏が担当したのは、主役のチャーチルを演じて主演男優賞を受賞したゲイリー・オールドマンの特殊メイクです。映画『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』では、ハリーとともに魔法の杖を振るって戦う細身のシリウス・ブラックを演じたゲイリー・オールドマンが、教科書でおなじみのチャーチル英国首相そっくりに変身してしまったのですから驚きです。チャーチル首相は、夫人に“my pig”と親しみを込めて呼ばれてしまうほどまるまるとした顔つきだったのですから。
 この映画は、第二次世界大戦のはじめ、ナチス・ドイツのヨーロッパ侵攻が急速に展開し、世界にファシズムの脅威が迫るなか、1940年5月に英国首相に就任したチャーチルが、ヒトラーとの宥和か、徹底抗戦か、の選択を迫られた27日間を描いた作品で、安全保障を考えるうえでも興味深い作品です。
 前任のチェンバレン英国首相は、1938年のミュンヘン会談で、ヒトラーの要求をのんで戦争を回避するという宥和政策を選択しました。しかし、それが裏目に出て、増長したナチス・ドイツに開戦を思いとどまらせることを難しくしてしまい、危機管理に失敗しました。その状況下での首相就任ですから、チャーチルの苦悩も並大抵のものではなかったはずです。
 映画ですから脚色で誇張されたり、作品テーマに偏った見方が生じたりすることもあります。とはいうものの、こういった社会派の作品は、様々な文献や関係者の証言などの綿密な考証を経て作られていることが多いものです。お気に入りの映画を見つけたら、その作品の基になっている資料を捜してみてください。それが研究の第一歩になりますから。
 

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田澤 佳昭(Yoshiaki Tazawa)
プロフィール
専門:国際政治
略歴:日本大学大学院博士後期課程政治学専攻満期退学。道都大学短期大学部専任講師・同経営学部専任講師・准教授を経て現在。南シナ海・東シナ海の沖合無人島嶼・海洋境界をめぐる国際問題を研究。

 労働意欲や職務に対するモチベーションに影響を与えているものに「職務満足感」があります。何によって自分の職務行動が動機づけられているかは個々人で異なっており、職務の達成や他者からの承認によって満足を感じる場合もあれば、職場環境や待遇、対人関係などによって満足を感じることもあります。当然のことながら満足感が高まれば生産性や作業量の増大といった組織や個人へ肯定的な結果として現れることが多いのですが、逆に満足感が低くなれば生産性の低下など個人や組織に否定的な結果に結びつきやすくなるようです。
 ロック(Locke,E.A.)は、「職務満足は、個人の仕事の評価や仕事の経験から得られる喜ばしい感情、あるいは肯定的な感情である」と定義しています。これは仕事の評価などによって生じる私たちの肯定的な感情を意味していると理解できます。しかし、医療や看護、福祉、教育などの対人援助を主とする職場では働く者だけでなく、サービスを受ける側、要するに患者や要支援者、生徒・学生の感情変化によって職務満足が影響を受ける可能性があります。特に医療に関わる職場の場合、疾病や障害によって危機的な状況にある患者が持つ心理状態はセンシティブで、働く者が職務に肯定的な感情を持っていたとしてもそれが患者の肯定的な感情につながるわけではありません。このようなすれ違いは「無力感」という否定的な感情につながりやすいことも知っておく必要があるでしょう。
 
 最近、保育士のストレスに関する調査にかかわる機会があり、保育士のストレスに職務満足感が影響していることが示されました。保育士の職務満足感をどう定義するか、またどのように測定するのかという問題は残されています。しかし、待遇や労働環境の改善も当然ですが、「職場の人間関係」や「職務への誇り」、「職場からの信頼」などがこの満足感に影響を与えていることは確かなようです。
 言い換えれば、保育士も自らが職務に対して誇りを持つとともに保護者や同僚から肯定的に評価されるなど職場の良好な人間関係が職務へのモチベーションを維持するための重要な要因といってもいいのではないでしょうか。
 

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髙橋 一公 (Ikko Takahashi)
プロフィール 
専門:生涯発達心理学、高齢者心理学

略歴:明星大学大学院人文学研究科修了、一般企業にて適性検査等の企画開発に従事。その後、山梨、群馬の私立大学を経て現職。臨床発達心理士。著書に「生涯発達心理学15講」等。

 ヒューマンインタフェースとは、人間と機械との接触部分のことで、コンピュータと人間とのコミュニケーションの方法のことをいいます。まずヒューマン(human)とは、人間のことを意味します。そして、インタフェース(interface)は接点、境界面、接触面、接合面、仲立ち、橋渡しなどの意味する言葉です。具体的にコンピュータでは、キーボードやマウス、スピーカやマイクなどの人間が直接利用する入出力装置や、データの入力画面などのソフトウェアやアプリケーションがこれに当たります。
 
 つまり、ヒューマンインタフェースの意味は「人間と機械との接点のこと」です。適切なヒューマンインタフェースを確保するには、音声認識や画像認識、動画認識などの技術が必要です。また、使いやすさを意味した言葉に、アクセシビリティがあります。アクセシビリティ(accessibility)は、近づきやすさ、接近容易性という意味の言葉ですが、コンピュータの情報やサービス、ソフトウェアなどが、どの程度、広範囲に利用可能であるかを表します。高齢者や障害者などハンデを持つ人にとって、どの程度利用できるかという意味で使われることもあります。特に、Webアクセシビリティとは、アクセシビリティのうち、Webページについての利用のしやすさのことを言います。Webコンテンツを利用するすべての人、特に高齢者や障害者が、知覚、理解、操作することに対する配慮のことを言います。
 
 昭和の初め頃は、電話が普及しましたが、現在ではテレビ電話さえ当たり前のことになりました。今後、さらに技術の進歩により、コミュニケーションの方法や手段が増えて行く事でしょう。我々の未来はどうなるでしょうか。少なくとも、言葉の壁や障害の壁は、コミュニケーションに関しては無くなって欲しいと思います。そして、同時通訳のスマートフォンや携帯端末は既に登場してますが、リアルタイムに使えて操作が簡単になれば、さらに普及していくでしょう。もしかしたら、犬や猫との会話ができる翻訳の研究も進むかもしれませんね。
 
 

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杉本 雅彦(Masahiko Sugimoto)

プロフィール

専門:ヒューマンインタフェース

略歴:信州大学大学院工学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(工学)。NICT委託研究/ 革新的な三次元映像による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発に従事。

 ダーウィンの進化論には「適者生存」という概念があります。どんな生物も強いから、大きいから生き残るわけではなく、環境に適応できた種だけが進化して生き残っていくというもので、これは企業などの組織や個人にも同様のことが言えます。第72回で郭潔蓉先生が企業を取り巻く外部環境を分析する「PEST分析」をご紹介されましたが、今回はその中でもTechnology(技術)の発展による環境変化とモチベーションの学びについて考えてみたいと思います。

 

 18世紀にイギリスで蒸気機関による動力が実用化され、繊維などの産業が発展したのが、第1次産業革命で、20世紀になって、アメリカで自動車産業に代表される大量生産は多くの標準化された製品を低コストで生産し、大衆にも工業製品が行き渡ったのが第2次産業革命です。20世紀後半からはコンピュータ、通信といった情報技術が産業をけん引してきました。現在ではネットが繋がるところであれば、世界中ただでテレビ電話ができる世の中になりました。

 そして、今、第4次産業革命の時代に入りつつあります。この中心技術は人工知能(AI)です。現在、情報技術だけでなく様々な分野からAIの研究がなされていますが、AIの特徴は機械自らが学ぶ機械学習ができることです。さらに、今後、AI時代に影響を与える画期的な技術が開発、実用化されようとしています。それは、量子コンピュータです。現在のコンピュータの1憶倍とも100億倍とも言われている計算速度を持つものです。これは単にスピードが上がるということだけではなく、今はまだわかりませんが、予想もしない新たな仕組み、かつてはSFの世界のことが現実になる社会が生まれるということを意味します。

 高校生のみなさんが社会の第一線で活躍する10数年後には現在の職業の半分はなくなると言われています。残りの半分も大きくその内容が変化していくでしょう。すでにいくつかの職場ではその兆しが見えています。ぜひ「AI先生」で検索してみてください。身近な塾の先生の仕事、役割が変わってきているというのがわかると思います。一方で、今はあまり知られていない新しい職業も出てきます。それを踏まえて今後、様々な知識を深めていけばみなさんの将来は明るいものとなるでしょう。

 

 東京未来大学モチベーション行動科学部には大手人材系企業のAI研究所やAIを使ったマーケティングデータ解析の企業で活躍している卒業生もいます。モチベーション理論やマーケティングなどを学び、第4次産業革命の中で活躍する人材が続々と生まれています。

 

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篠崎 雅春(Masaharu Shinozaki)

プロフィール

専門:マーケティング
略歴:慶應義塾大学法学部、慶應義塾大学大学院経営管理研究科卒業。凸版印刷消費行動研究室、たくぎん総合研究所経営コンサルティング部、道都大学経営学部をへて、2012年より現職。

 2018年の幕が開けました。今年は平昌冬季オリンピックが開催されます。2月9日の開会式を目前に,活躍を期待される日本選手の様子が連日報道されていて,わくわくしますね。世界トップレベルの高いスキルを,彼らはどのようにして身につけたのでしょうか。

 私が専門としている教育心理学では,学習場面でのスキルである「学習方略」の熟達過程が研究されています。研究の結果,熟達化は,①学習方略を使えない状態から,②使うけれども上手くいかない状態を経て,③複数の学習方略を場面に応じて使い分ける状態へと進むことがわかっています。例えば,学習は授業に閉じているのではなく,日常生活と関連づけていくとよいと言われますが,そうした学習の仕方は知らなければできるものではありません(上記①の段階)。また,学習方略は知ったからといって上手く使えるものではないということにも注意が必要です。どのように関連づけたらよいのか試行錯誤の時間が続きます(上記②の段階)。さらに,有効な学習方略は1つではないことを考えると,複数の学習方略について知っては試行錯誤することを繰り返して身につけ,どのような場面にもそれらを使い分けて対応できるようになることが目指されます(上記の段階③)。

 スキルの熟達過程は,学習以外の分野でも共通なのではないかと思います。スポーツでも1つの方法(例えば,スケートの滑り方やジャンプの仕方)を知り,試行錯誤の末に使いこなせるようになることを繰り返して,たくさんの方法を柔軟に使い分けどのような場面でも高いパフォーマンスを示せるようになっていくのでしょう。さらに,こうした過程は,特定の分野のみならず,モチベーションの上げ方や人との関わり方といった一般的な事柄でも見られます。各分野の第一線で活躍される方々は,このスキルも高そうですね。

 皆さんもぜひ,たくさんの「方法」を学び,実践を通して鍛えていってください。2018年が飛躍的なスキルアップの年となりますよう願っています。

 

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小林 寛子(Hiroko Kobayashi)
プロフィール専門:教育心理学
略歴:東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学後、日本学術振興会特別研究員PDを経て現職。博士(教育学)。学習上の不適応の問題に、個別指導や授業改善を通して取り組んでいる。

 私は、少し若い時(中国経済が急速に発展するスタートの時期)から中国をフィールドとして教育格差の問題をリサーチしてまいりましたので、中国の都市のイメージといえば建設の工事現場に最も強い印象があります。それと交通渋滞や近年では大気汚染によるスモッグといったところでしょうか。日本でも昔はよく見られた光景かもしれませんが、日本との違いは人口を含めてそのスピードもさることながら規模も質も数段上な点でしょう。

 しかし、中国の国外からではなく、実際の国内の都市に赴いて感じられるイメージは、より微視的で強烈なものになるようです。このあたりが、フィールド・ワークの重要性を示しているともいえるのですが、3年前に現地で経験したインパクトのおかげで、それ以後まだ一度も中国に足を運べておりません。

 3年前、中国出張にむけてある有名サイトから良さげな現地のホテルを予約しました。私は朝食大食漢で、当然、朝食付きのホテルプランをサイトから事前予約=決済したのですが、フロントの女性曰く「改修のため先週末で朝食プランは終了」というのです。頭が少々混乱しましたが、「これが中国の文化だ」などと半ば強引に専門家気取りの自分に言い聞かせ納得・理解しようとしました。

 仕方なく朝食を求めて通学・通勤集団で混雑する裏通りをさまよっていると直ちに靴底に何かがへばりつきます。やはり散乱した生ごみや腐汁の類が延々と路上に散乱しており、これも中国の日常の風景とはいえ、このような通りの傍らで食する気持ちになれず、餃子20個(=最小販売数)を持ち帰りました。ごみ道中には、短パンで髪の長い洗練された若い女性が歩いていたのですが、その足に目をやると不可解なちり紙の切れ端がふくらはぎにくっついて一緒に移動していました。しかし、取ってあげに行く勇気がありません。

 その後、ホテルの自室内で用を足したところ、今度はこっちにちり紙がありません。ペーパー自体部屋のどこにもありません。中級ホテルのくせにどうして最重要課題を忘れるのか。落ち着いて頭の中で八方塞がりの状況を再確認した後、さらにパニックに陥りましたが、ただ惨めな中国出張となったことを天に報告するのみでした。

 ポイントを整理すると、経済発展しているといわれる中国では、①インターネットの取引が不能、②都市環境のインフラが不備、③第3次産業(サービス業)が未発達、ということが強いインパクトをともなって1日で理解されるのです。

 スタートから油断ならない中国社会に直に触れることで、外からではわからない様々な事実がわかってきます。まさに「百聞は一見に如かず」ということではないでしょうか。しかし、それ以後まだ一度も中国に行けておりません…

 

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金塚 基(Motoi Kanatsuka)
プロフィール
専門:教育学・生涯教育
略歴:早稲田大学教育学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(教育学)。帝京大学福祉・保育専門学校専任講師などを経て、東京未来大学モチベーション行動科学部准教授~現在に至る。

 皆さんが「頑張るぞ!」と思うときには、必ず頑張る対象がありますね。頑張る対象がなにもなければそもそも頑張ることはできません。頑張る対象、つまり目標があることでやる気も生まれます。目標をもつことによって、行動に具体的な方向性が生まれ、目標達成に向けてモチベーションが活性化していきます。つまり、モチベーションと目標とは切っても切れない関係があるのです。

 では、どんな目標を立てることが高いモチベーションを生み出すのでしょうか。これについては、心理学では目標設定理論に基づく多くの研究が蓄積されています。目標設定理論については私が担当する「モチベーション論Ⅱ」という授業で学びますが、大切なことは、行動する本人が納得してその目標を受け入れていることです。親や先生が見てどんなによいと思える目標であっても、本人が納得していなければモチベーションを高めることはできません。

 目標とモチベーションの関係についての続きはぜひ本学部で学んでいただくことにして、今回は「SMART」な目標の立て方を紹介します。

 まずSはSpecific(スペシフィック)、つまり「具体的」ということです。曖昧でぼんやりした目標よりも具体的ではっきりした目標の方が行動も明確になります。MはMeasurable(メジャラブル)、これは進み具合や到達度を「測定できる」ということです。AはAssignable(アサイナブル)で、いつまでに、どこまでというように具体的に「目標を割り当てることができる」という意味です。RはRealistic(リアリスティック)、目標である以上は単なる夢物語ではなく、頑張れば「実現可能」であることが大切です。おしまいのTはTime-related(タイム リレーテッド)で、達成すべき「期限が明確」であることです。

 どれも難しいことではありません。皆さんが目標を立てるときには、このSMARTをちょっと思い出してみてください。きっとスマートで効果的な目標が立てられると思いますよ。

 

 

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角山 剛 (Takashi Kakuyama)

プロフィール

専門:産業・組織心理学、社会心理学
略歴:立教大学文学部心理学科卒業。同大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、産業・組織心理学会常任理事、人材育成学会常任理事、日本応用心理学会常任理事。

 皆さんは「PEST分析」という言葉を耳にしたことがありますか?簡単に説明をすると、企業を取り巻くマクロ環境(外部環境)を「PEST」という4つの視点から分析し、企業にとって、過去・現在・未来においてどのような影響力があるのかを把握したり、予測したりするための分析のフレームワークのことを指します。

 「PEST分析」のいう4つの視点とは、P= Politics(政治)、E= Economy(経済)、S=Society(社会)、T=Technology(技術)の各視点です。それぞれの視点で企業に影響を与える要因を明らかにすることで企業に起こり得るリスク(危険性)や困難を回避出来たり、逆にどのような部分にビジネスチャンス(機会)があるかを予測したりすることが可能です。

 このフレームワークを考案したのは、経営学者であり、マーケティングの神様の異名を持つフィリップ・コトラー氏です。同氏が「調査をせずに市場参入を試みるのは、目が見えないのに市場参入をしようとするようなもの」と言っているように、「PEST」分析は企業の市場参入の道標になるとても重要な分析なのです。

 皆さん、ぜひ身近な有名な商品やサービス、或いは企業の名前を思い浮かべてみてください。成功した商品、サービス、そして企業は、必ず世の中の変化や流れ、トレンドを味方につけていることに気づかれるのではないかと思います。外部環境の変化にともない、自らの組織・商品を時代に即したものへと変えられるものこそ、変革のスピードが速い現代を生き残ることができるのです。その外部環境、なかでもマクロ環境を把握し、企業への影響をはかるフレームワークが「PEST分析」なのです。

 ここまで読んで頂くと「PEST分析」に少し興味が沸いてきませんか?そんな風に感じられたら、ぜひモチベーション行動科学部の経営領域の扉を開いてみてください。きっと新たな発見と学びに出会えるはずです。

 

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郭 潔蓉(Iyo Kaku)

プロフィール

専門:東・東南アジア地域の政治経済、国際経営環境分析

略歴:ボストン大学大学院国際関係学専攻修士課程、筑波大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了、博士(法学)。代表著書に『グローバル教育の現在』他。

 ヒトは過去と現在の間に生きている。

 などというと、哲学の話のように思えるが、人間の目の話であり、知覚心理学や認知心理学で扱う領域の話である。普段、我々はなにげなくモノを見ているが、モノを見るという行為には3つの要因 ―― 光源(太陽の光や蛍光灯の明かりといった光)、見る対象、感覚受容器(目)の3つ―― が必要となる。ある物体――例えばりんご――を見るには、その物体に光があたり、その反射光が目に映り、視覚体験が生じることになる。しかしながら、目から取り入れた視覚情報は、視神経を経由して、視覚野へ送られる。そして、この視覚野で視覚情報の処理(復元や統合)が進み、最終的に“見える”状態になる。そのため、目から入った視覚情報は脳内で処理を進めるため、ごくわずかな時間ではあるが時間が必要となる。そのため、実際の物体と我々が見ている物体との時間には、わずかではあるがズレが生じることになる。しかしながら、我々の見ているという認識は今現在そのものを見ていると認識していることになる。このような時間軸の補正がどのように行われているか不明であるが、人間の見るという行為は不明点がまだまだ多いといえる。

 さて、ヒトの見るという、ごくごく普通の行為も、突き詰めると不思議なことが多いが、日常場面に目を移そう。

 例えば、スーパーで買った美味しそうなオクラを家に帰り、緑色のネットから取り出してみたら、思ったよりも色つやが悪く、他の商品にすれば良かったと思ったことはないだろうか。または、デパートで綺麗な色だと思って買って帰った服が、家で着てみたら思った色味ではなく、何やら失敗した気分になった、なんてことはないだろうか。

 一つ目の例は、色の同化現象によるものであるし、二つ目の例は、色の演色性によるものである。他にも色の対比現象(例えば赤身の刺身のそばに緑の大葉が添えられると、刺身の赤身が鮮やかに感じられ、美味しそうに映る)なんてものもある。また、衣服の着こなしやメイクもヒトのモノの見方のクセを利用したものとも言える。このように、日常場面においても、我々は我々自身の目に度々騙されていると言える。これは、ヒトの目が客観的・機械的にモノを見ているのではなく、環境や状況に影響を受けるためである。

 このように見られる側と見る側の要因を知ることは、より適切な表現方法やより良い商品の開発に有効な知見が得られるといえる。

 

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岩﨑 智史(Satoshi Iwasaki)

プロフィール

専門:認知心理学
略歴:立正大学大学院心理学研究科博士後期課程修了。東京未来大学 こども心理学部助手、同助教を経て現在、東京未来大学モチベーション行動科学部講師。