ヒューマンインタフェースとは、人間と機械との接触部分のことで、コンピュータと人間とのコミュニケーションの方法のことをいいます。まずヒューマン(human)とは、人間のことを意味します。そして、インタフェース(interface)は接点、境界面、接触面、接合面、仲立ち、橋渡しなどの意味する言葉です。具体的にコンピュータでは、キーボードやマウス、スピーカやマイクなどの人間が直接利用する入出力装置や、データの入力画面などのソフトウェアやアプリケーションがこれに当たります。
 
 つまり、ヒューマンインタフェースの意味は「人間と機械との接点のこと」です。適切なヒューマンインタフェースを確保するには、音声認識や画像認識、動画認識などの技術が必要です。また、使いやすさを意味した言葉に、アクセシビリティがあります。アクセシビリティ(accessibility)は、近づきやすさ、接近容易性という意味の言葉ですが、コンピュータの情報やサービス、ソフトウェアなどが、どの程度、広範囲に利用可能であるかを表します。高齢者や障害者などハンデを持つ人にとって、どの程度利用できるかという意味で使われることもあります。特に、Webアクセシビリティとは、アクセシビリティのうち、Webページについての利用のしやすさのことを言います。Webコンテンツを利用するすべての人、特に高齢者や障害者が、知覚、理解、操作することに対する配慮のことを言います。
 
 昭和の初め頃は、電話が普及しましたが、現在ではテレビ電話さえ当たり前のことになりました。今後、さらに技術の進歩により、コミュニケーションの方法や手段が増えて行く事でしょう。我々の未来はどうなるでしょうか。少なくとも、言葉の壁や障害の壁は、コミュニケーションに関しては無くなって欲しいと思います。そして、同時通訳のスマートフォンや携帯端末は既に登場してますが、リアルタイムに使えて操作が簡単になれば、さらに普及していくでしょう。もしかしたら、犬や猫との会話ができる翻訳の研究も進むかもしれませんね。
 
 

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杉本 雅彦(Masahiko Sugimoto)

プロフィール

専門:ヒューマンインタフェース

略歴:信州大学大学院工学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(工学)。NICT委託研究/ 革新的な三次元映像による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発に従事。

 ダーウィンの進化論には「適者生存」という概念があります。どんな生物も強いから、大きいから生き残るわけではなく、環境に適応できた種だけが進化して生き残っていくというもので、これは企業などの組織や個人にも同様のことが言えます。第72回で郭潔蓉先生が企業を取り巻く外部環境を分析する「PEST分析」をご紹介されましたが、今回はその中でもTechnology(技術)の発展による環境変化とモチベーションの学びについて考えてみたいと思います。

 

 18世紀にイギリスで蒸気機関による動力が実用化され、繊維などの産業が発展したのが、第1次産業革命で、20世紀になって、アメリカで自動車産業に代表される大量生産は多くの標準化された製品を低コストで生産し、大衆にも工業製品が行き渡ったのが第2次産業革命です。20世紀後半からはコンピュータ、通信といった情報技術が産業をけん引してきました。現在ではネットが繋がるところであれば、世界中ただでテレビ電話ができる世の中になりました。

 そして、今、第4次産業革命の時代に入りつつあります。この中心技術は人工知能(AI)です。現在、情報技術だけでなく様々な分野からAIの研究がなされていますが、AIの特徴は機械自らが学ぶ機械学習ができることです。さらに、今後、AI時代に影響を与える画期的な技術が開発、実用化されようとしています。それは、量子コンピュータです。現在のコンピュータの1憶倍とも100億倍とも言われている計算速度を持つものです。これは単にスピードが上がるということだけではなく、今はまだわかりませんが、予想もしない新たな仕組み、かつてはSFの世界のことが現実になる社会が生まれるということを意味します。

 高校生のみなさんが社会の第一線で活躍する10数年後には現在の職業の半分はなくなると言われています。残りの半分も大きくその内容が変化していくでしょう。すでにいくつかの職場ではその兆しが見えています。ぜひ「AI先生」で検索してみてください。身近な塾の先生の仕事、役割が変わってきているというのがわかると思います。一方で、今はあまり知られていない新しい職業も出てきます。それを踏まえて今後、様々な知識を深めていけばみなさんの将来は明るいものとなるでしょう。

 

 東京未来大学モチベーション行動科学部には大手人材系企業のAI研究所やAIを使ったマーケティングデータ解析の企業で活躍している卒業生もいます。モチベーション理論やマーケティングなどを学び、第4次産業革命の中で活躍する人材が続々と生まれています。

 

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篠崎 雅春(Masaharu Shinozaki)

プロフィール

専門:マーケティング
略歴:慶應義塾大学法学部、慶應義塾大学大学院経営管理研究科卒業。凸版印刷消費行動研究室、たくぎん総合研究所経営コンサルティング部、道都大学経営学部をへて、2012年より現職。

 2018年の幕が開けました。今年は平昌冬季オリンピックが開催されます。2月9日の開会式を目前に,活躍を期待される日本選手の様子が連日報道されていて,わくわくしますね。世界トップレベルの高いスキルを,彼らはどのようにして身につけたのでしょうか。

 私が専門としている教育心理学では,学習場面でのスキルである「学習方略」の熟達過程が研究されています。研究の結果,熟達化は,①学習方略を使えない状態から,②使うけれども上手くいかない状態を経て,③複数の学習方略を場面に応じて使い分ける状態へと進むことがわかっています。例えば,学習は授業に閉じているのではなく,日常生活と関連づけていくとよいと言われますが,そうした学習の仕方は知らなければできるものではありません(上記①の段階)。また,学習方略は知ったからといって上手く使えるものではないということにも注意が必要です。どのように関連づけたらよいのか試行錯誤の時間が続きます(上記②の段階)。さらに,有効な学習方略は1つではないことを考えると,複数の学習方略について知っては試行錯誤することを繰り返して身につけ,どのような場面にもそれらを使い分けて対応できるようになることが目指されます(上記の段階③)。

 スキルの熟達過程は,学習以外の分野でも共通なのではないかと思います。スポーツでも1つの方法(例えば,スケートの滑り方やジャンプの仕方)を知り,試行錯誤の末に使いこなせるようになることを繰り返して,たくさんの方法を柔軟に使い分けどのような場面でも高いパフォーマンスを示せるようになっていくのでしょう。さらに,こうした過程は,特定の分野のみならず,モチベーションの上げ方や人との関わり方といった一般的な事柄でも見られます。各分野の第一線で活躍される方々は,このスキルも高そうですね。

 皆さんもぜひ,たくさんの「方法」を学び,実践を通して鍛えていってください。2018年が飛躍的なスキルアップの年となりますよう願っています。

 

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小林 寛子(Hiroko Kobayashi)
プロフィール専門:教育心理学
略歴:東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学後、日本学術振興会特別研究員PDを経て現職。博士(教育学)。学習上の不適応の問題に、個別指導や授業改善を通して取り組んでいる。

 私は、少し若い時(中国経済が急速に発展するスタートの時期)から中国をフィールドとして教育格差の問題をリサーチしてまいりましたので、中国の都市のイメージといえば建設の工事現場に最も強い印象があります。それと交通渋滞や近年では大気汚染によるスモッグといったところでしょうか。日本でも昔はよく見られた光景かもしれませんが、日本との違いは人口を含めてそのスピードもさることながら規模も質も数段上な点でしょう。

 しかし、中国の国外からではなく、実際の国内の都市に赴いて感じられるイメージは、より微視的で強烈なものになるようです。このあたりが、フィールド・ワークの重要性を示しているともいえるのですが、3年前に現地で経験したインパクトのおかげで、それ以後まだ一度も中国に足を運べておりません。

 3年前、中国出張にむけてある有名サイトから良さげな現地のホテルを予約しました。私は朝食大食漢で、当然、朝食付きのホテルプランをサイトから事前予約=決済したのですが、フロントの女性曰く「改修のため先週末で朝食プランは終了」というのです。頭が少々混乱しましたが、「これが中国の文化だ」などと半ば強引に専門家気取りの自分に言い聞かせ納得・理解しようとしました。

 仕方なく朝食を求めて通学・通勤集団で混雑する裏通りをさまよっていると直ちに靴底に何かがへばりつきます。やはり散乱した生ごみや腐汁の類が延々と路上に散乱しており、これも中国の日常の風景とはいえ、このような通りの傍らで食する気持ちになれず、餃子20個(=最小販売数)を持ち帰りました。ごみ道中には、短パンで髪の長い洗練された若い女性が歩いていたのですが、その足に目をやると不可解なちり紙の切れ端がふくらはぎにくっついて一緒に移動していました。しかし、取ってあげに行く勇気がありません。

 その後、ホテルの自室内で用を足したところ、今度はこっちにちり紙がありません。ペーパー自体部屋のどこにもありません。中級ホテルのくせにどうして最重要課題を忘れるのか。落ち着いて頭の中で八方塞がりの状況を再確認した後、さらにパニックに陥りましたが、ただ惨めな中国出張となったことを天に報告するのみでした。

 ポイントを整理すると、経済発展しているといわれる中国では、①インターネットの取引が不能、②都市環境のインフラが不備、③第3次産業(サービス業)が未発達、ということが強いインパクトをともなって1日で理解されるのです。

 スタートから油断ならない中国社会に直に触れることで、外からではわからない様々な事実がわかってきます。まさに「百聞は一見に如かず」ということではないでしょうか。しかし、それ以後まだ一度も中国に行けておりません…

 

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金塚 基(Motoi Kanatsuka)
プロフィール
専門:教育学・生涯教育
略歴:早稲田大学教育学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(教育学)。帝京大学福祉・保育専門学校専任講師などを経て、東京未来大学モチベーション行動科学部准教授~現在に至る。

 皆さんが「頑張るぞ!」と思うときには、必ず頑張る対象がありますね。頑張る対象がなにもなければそもそも頑張ることはできません。頑張る対象、つまり目標があることでやる気も生まれます。目標をもつことによって、行動に具体的な方向性が生まれ、目標達成に向けてモチベーションが活性化していきます。つまり、モチベーションと目標とは切っても切れない関係があるのです。

 では、どんな目標を立てることが高いモチベーションを生み出すのでしょうか。これについては、心理学では目標設定理論に基づく多くの研究が蓄積されています。目標設定理論については私が担当する「モチベーション論Ⅱ」という授業で学びますが、大切なことは、行動する本人が納得してその目標を受け入れていることです。親や先生が見てどんなによいと思える目標であっても、本人が納得していなければモチベーションを高めることはできません。

 目標とモチベーションの関係についての続きはぜひ本学部で学んでいただくことにして、今回は「SMART」な目標の立て方を紹介します。

 まずSはSpecific(スペシフィック)、つまり「具体的」ということです。曖昧でぼんやりした目標よりも具体的ではっきりした目標の方が行動も明確になります。MはMeasurable(メジャラブル)、これは進み具合や到達度を「測定できる」ということです。AはAssignable(アサイナブル)で、いつまでに、どこまでというように具体的に「目標を割り当てることができる」という意味です。RはRealistic(リアリスティック)、目標である以上は単なる夢物語ではなく、頑張れば「実現可能」であることが大切です。おしまいのTはTime-related(タイム リレーテッド)で、達成すべき「期限が明確」であることです。

 どれも難しいことではありません。皆さんが目標を立てるときには、このSMARTをちょっと思い出してみてください。きっとスマートで効果的な目標が立てられると思いますよ。

 

 

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角山 剛 (Takashi Kakuyama)

プロフィール

専門:産業・組織心理学、社会心理学
略歴:立教大学文学部心理学科卒業。同大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、産業・組織心理学会常任理事、人材育成学会常任理事、日本応用心理学会常任理事。

 皆さんは「PEST分析」という言葉を耳にしたことがありますか?簡単に説明をすると、企業を取り巻くマクロ環境(外部環境)を「PEST」という4つの視点から分析し、企業にとって、過去・現在・未来においてどのような影響力があるのかを把握したり、予測したりするための分析のフレームワークのことを指します。

 「PEST分析」のいう4つの視点とは、P= Politics(政治)、E= Economy(経済)、S=Society(社会)、T=Technology(技術)の各視点です。それぞれの視点で企業に影響を与える要因を明らかにすることで企業に起こり得るリスク(危険性)や困難を回避出来たり、逆にどのような部分にビジネスチャンス(機会)があるかを予測したりすることが可能です。

 このフレームワークを考案したのは、経営学者であり、マーケティングの神様の異名を持つフィリップ・コトラー氏です。同氏が「調査をせずに市場参入を試みるのは、目が見えないのに市場参入をしようとするようなもの」と言っているように、「PEST」分析は企業の市場参入の道標になるとても重要な分析なのです。

 皆さん、ぜひ身近な有名な商品やサービス、或いは企業の名前を思い浮かべてみてください。成功した商品、サービス、そして企業は、必ず世の中の変化や流れ、トレンドを味方につけていることに気づかれるのではないかと思います。外部環境の変化にともない、自らの組織・商品を時代に即したものへと変えられるものこそ、変革のスピードが速い現代を生き残ることができるのです。その外部環境、なかでもマクロ環境を把握し、企業への影響をはかるフレームワークが「PEST分析」なのです。

 ここまで読んで頂くと「PEST分析」に少し興味が沸いてきませんか?そんな風に感じられたら、ぜひモチベーション行動科学部の経営領域の扉を開いてみてください。きっと新たな発見と学びに出会えるはずです。

 

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郭 潔蓉(Iyo Kaku)

プロフィール

専門:東・東南アジア地域の政治経済、国際経営環境分析

略歴:ボストン大学大学院国際関係学専攻修士課程、筑波大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了、博士(法学)。代表著書に『グローバル教育の現在』他。

 ヒトは過去と現在の間に生きている。

 などというと、哲学の話のように思えるが、人間の目の話であり、知覚心理学や認知心理学で扱う領域の話である。普段、我々はなにげなくモノを見ているが、モノを見るという行為には3つの要因 ―― 光源(太陽の光や蛍光灯の明かりといった光)、見る対象、感覚受容器(目)の3つ―― が必要となる。ある物体――例えばりんご――を見るには、その物体に光があたり、その反射光が目に映り、視覚体験が生じることになる。しかしながら、目から取り入れた視覚情報は、視神経を経由して、視覚野へ送られる。そして、この視覚野で視覚情報の処理(復元や統合)が進み、最終的に“見える”状態になる。そのため、目から入った視覚情報は脳内で処理を進めるため、ごくわずかな時間ではあるが時間が必要となる。そのため、実際の物体と我々が見ている物体との時間には、わずかではあるがズレが生じることになる。しかしながら、我々の見ているという認識は今現在そのものを見ていると認識していることになる。このような時間軸の補正がどのように行われているか不明であるが、人間の見るという行為は不明点がまだまだ多いといえる。

 さて、ヒトの見るという、ごくごく普通の行為も、突き詰めると不思議なことが多いが、日常場面に目を移そう。

 例えば、スーパーで買った美味しそうなオクラを家に帰り、緑色のネットから取り出してみたら、思ったよりも色つやが悪く、他の商品にすれば良かったと思ったことはないだろうか。または、デパートで綺麗な色だと思って買って帰った服が、家で着てみたら思った色味ではなく、何やら失敗した気分になった、なんてことはないだろうか。

 一つ目の例は、色の同化現象によるものであるし、二つ目の例は、色の演色性によるものである。他にも色の対比現象(例えば赤身の刺身のそばに緑の大葉が添えられると、刺身の赤身が鮮やかに感じられ、美味しそうに映る)なんてものもある。また、衣服の着こなしやメイクもヒトのモノの見方のクセを利用したものとも言える。このように、日常場面においても、我々は我々自身の目に度々騙されていると言える。これは、ヒトの目が客観的・機械的にモノを見ているのではなく、環境や状況に影響を受けるためである。

 このように見られる側と見る側の要因を知ることは、より適切な表現方法やより良い商品の開発に有効な知見が得られるといえる。

 

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岩﨑 智史(Satoshi Iwasaki)

プロフィール

専門:認知心理学
略歴:立正大学大学院心理学研究科博士後期課程修了。東京未来大学 こども心理学部助手、同助教を経て現在、東京未来大学モチベーション行動科学部講師。

みなさんは、自分の意見を周りの人にうまく伝えられますか?

誰かから何かを頼まれたとき、それを引き受けたくなければ、うまく断れますか?

誰かに何かを頼まなければならないとき、相手にうまくお願いができますか?

 

「うまく」とは、相手に嫌な思いをさせないように配慮しながら、

自分の意見を伝えられた状態を意味します。

互いに気持ちよい状態で「うまく」意見を主張する仕方は、

心理学ではアサーションと言い、望ましい自己主張のスタイルとされています。

 

先ほどの問ですが、私自身はどちらかというと、Noです。

 

私はコミュニケーションに関する専門家で、

アサーションを知っていて

他者の利益のためならばアサーションができるので、

その能力もあると思うのですが、

主張の目的が自分のためだと、「ノン・アサーション」になります。

 

相手に合わせて主張を控えたり、

依頼を断れなくて引き受けてしまったり、

周囲に頼れなくて自分一人で背負ってしまったり。

こんなふうに、自分の意見を押し殺してしまうのがノン・アサーションです。

 

なぜ、アサーションをする能力があって、方法を知っていて、実践できるはずなのに、

私はアサーションが十分にできないのでしょうか?

 

それは、人との関わり不足、経験不足によるからにほかなりません。

私は他者と衝突することを避ける癖があり、積極的にアサーションを実践していないのです。

 

対人関係をうまくこなしていくコミュニケーションの力のことを「社会的スキル」と言います。

他者とうまくやっていく能力があって、方法を知っていて、実践できることです。

社会的スキルの高さは、生まれながらに決まってしまっているのではなく、

人との関わりという経験を通して学習し、高められていくものです。

アサーションもそのスキルの1つです。

 

でも、よく考えてみてください。

私が主張せずに相手の意見を聞き、頼まれごとを引き受けてしまっては、

その相手の方のアサーションの機会が減ります。

私のノン・アサーションは、相手がアサーションを経験する機会を奪っているのです。

 

自分だけでなく、周囲の人も

お互いに高い社会的スキルを持っていると非常に住みやすい世界ができあがります。

それゆえに、自分のためにも、他者のためにも、

積極的に「他者と関わろう」とするモチベーションを高める必要があるのです

 

さて、ノンアサーションのはずの私ですが、夫の頼まれごとには、遠慮がなくなり、

「忙しいのが見てわからない?!」とアグレッション(自分を優先して相手のことを考えていないスタイル)。

いくら親しい間柄でも、傷つきますよね。

家族こそよい練習相手。日々精進、と反省。

 

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磯 友輝子(Yukiko Iso)
プロフィール
専門:対人社会心理学
略歴:日本大学国際関係学部、名古屋大学文学部卒業。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。同大学院助手、本学こども心理学部講師、准教授を経て現職。

心理学を専攻していると分かると、「へぇ、私の心分かります?今どんな気持ちか当てて見て!」と言われることがあります。そのような際には、「いや、なかなか人の心って難しくって、ずっと研究しているのですよ。」と答えると、大抵はがっかりされます。多くの人は、心理学者に占い師や霊能者「的」イメージを重ねるようです。心理学検定の普及、国家資格公認心理師の成立など、そして、自治体や大学主催の市民向け講座の増加などのお蔭かこのような淡い期待(誤解)を近年は払拭しつつあるようです。

人文社会科学系の学部に限らず選択科目であろうと心理学の履修率は他科目に先んじて1,2位を競うものです。全国的には「科学的」心理学の知識を持つ人は相当の人数になるはずです。本学では、他大学の追従を許さないほどの多彩な学びができます。大きな強みの一つと考えていますが、学生、卒業生はどう感じているのでしょうか。

私は、高校生の時に、それまでは化学反応に関心があったのですが、大きな方向転換で、不安や心の変化に興味を抱き、心理学を学ぼうと決めました。大学では、複数の学部にあった心理学専攻のどこにしようかと悩みました。結局、「心理学は応用、実践されるもの、だから基本を学ぶことこそ重要」との教員のことばに納得し、文学部へ。そこでは実験こそが心理学そのものという風土に多少の反発を覚えました。当時、精神神経科のサイコロジストをしていた先輩のところへ通い、臨床の手ほどきを受けました。その先輩は、心理学の基礎をしっかり学ばないと、患者さんに接した際に自分のぶれや思い込みに気づかないでしまうリスクがあるとの言で基礎を学び続けました。

卒論のテーマにも悩みました。不安によって行動はどう影響されるのか、さらに臨床場面につながる研究はできないかと考え、不安研究の一線にいた他大学の先輩(後の恩師)を頼り、指導を受けることになりました。来談者と面接者の基本となる二者関係の発言と不安特性との関係を捉えることをテーマとしました。恩師には臨床場面での研究を勧められたのですが、コミュニケーション過程自体への関心から、対人場面の特徴(対面、非対面)、視線や身体動作などのチャネル、対人関係の種類(親密さ)などと社会心理学の研究をしてきました。

人生では悩みの岐路が多くあります。私も進路、研究室、研究テーマ、次の研究で扱う要因はと悩み続けてきたなと思います。その時々に何が決め手になったのでしょう。選ばなかった選択肢の先は分かりません。でも、「こっちだ」と何かが閃いたのだと思い込むことにしています。そんな感性を大事にしたいものです。

 

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大坊 郁夫(Ikuo Daibo)

プロフィール

専門:対人・社会心理学
略歴:北海道大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程退学
札幌医科大学助手、山形大学教養部専任講師、助教授
北星学園大学文学部教授、社会福祉学部教授
大阪大学大学院人間科学研究科教授
同大学名誉教授、東京未来大学学長、教授

テレビのスイッチを入れれば、様々な製品やサービスのCMが我々の目に耳に飛び込んでくる。あるいは、家の新聞には様々なお店のチラシが折り込んである。電車の車内にも様々なポスターが掲示されている。コンビニやスーパーに出向けば、ここでも売場の棚には「○○円引き」、「○○個買うと1個おまけ」などというポスター(正確にはPOPという)が買う気をそそる。

売場でのポスターなどによる情報提供は「セールスプロモーション」と言われる。その場で買うという「行動」を促進することを目的としている。それに対し、CMやチラシ、同じポスターでも前者のものは、購入時点・地点で提示されたものではなく、他の時点・地点での情報提供である。その目的は「態度」を変えることである。態度に働きかけるのが「マーケティング」の発想である。行動をより効果的に変えるためには態度を変えることが有効である。

態度に働きかける、とはその商品やサービスを消費することのベネフィットを訴求する、すなわち内的に動機づけることである。すると、行動に働きかけるセールスプロモーションは外的な誘因として動機づけする方法であり、両者はまさにモチベーションを高める方法に他ならない、と気付く。

ところで最近では、スマホをちょっと手にすれば、目の前に様々な広告が飛び交い、その場での購入も可能となっている。これまでは、買いたくても目の前に商品やサービスがあったわけではないので、一旦記憶して、改めて行動たる購買をしにお店に向かっていた。よって、態度を変えたからといって、そのすべてが行動に結びつくわけではなかった。しかし、ネットでの購入は、態度と行動をほぼ同時に変えうるゆえに行動に結び付ける確率を高めた。また、SNSを利用すれば、購入の前でも後でも様々な情報を入手し、また発信することも可能だ。SNSは行動することを後押しし、また行動後の満足を促進する機能を果たしている。

 

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渡邊 隆之(Takayuki Watanabe)

プロフィール

専門:マーケティング、消費者行動
略歴:早稲田大学大学院商学研究科博士前期課程修了。(株)イトーヨーカ堂を経て、学習院大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。(財)流通経済研究所理事、創価大学・沖縄大学教授を経て現職。