第84回 グローバル化の中の日本史教育

投稿者:山﨑 善弘

 私は東京未来大学で主に日本史を教えています。今回のブログでは、もはや当たり前となったグローバル化の中で、日本史はどのような位置付けにあり、また、どのような観点から日本史教育が行われるべきかについて述べたいと思います。
 日本史は当然といえば当然ですが、日本が研究の本場で、小中高はもちろん、大学教育においても必須の位置を占めています。しかし、それほど多くはありませんが、海外の大学でも日本史が教えられています。
 写真は、今年9月にシンガポール国立大学で開催された Meiji Conference という学会での一幕です。私が学会で友人になった外国人研究者との記念写真です。今年は明治維新から150年目にあたり、日本はもちろん、外国でも明治維新150周年を記念した各種事業が開催されています。Meiji Conference もその1つというわけです。日本から大学教員が多く招かれ、海外の大学教員と交流することで、研究、ひいては教育の深化が図られたのです。
 高校生の皆さんは驚かれたかもしれませんが、日本史は日本人だけのものではないのです。外国人も大きな関心を持ち、日本以外の大学でも学生諸君が日本史を学んでいるのです。
 さて、このような状況下では、実は、日本人自身が日本史をはじめとする日本文化に高いレベルで通じている必要があります。例えば、皆さんが本学に入学し、その間に留学したとしましょう。よく聞く話ですが、多くの外国人の同級生が、皆さんに、日本史をはじめとする日本文化について質問してくるはずです。先に述べたように、外国の大学でも日本史の授業があり、日本に大きな関心を持っている学生はたくさんいます。留学先の同級生にしてみれば、日本人なら当然日本史などに詳しいと思うのです。その時に、自国の歴史さえ十分に知らなければ、同級生との交流は難しいものとなるでしょう。
 日本史というと、グローバル化とかけ離れたもののように思われがちですが、実は、世界がグローバル化すればするほど、まずは自国の歴史などをしっかり学んでおく必要があります。私はこの点を踏まえ、グローバル社会で通用する優れた人間育成の観点からも日本史教育に取り組んでいます。グローバル化の中でますます重要になってきた日本史ですが、高校生の皆さん、共に本学で学んでみませんか?楽しいですよ。

 

山崎先生教員ブログ写真

 

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山﨑 善弘(Yamasaki Yoshihiro)
プロフィール

専門:日本近世史/略歴:関西大学大学院文学研究科史学専攻博士課程後期課程修了後、神戸大学大学院人文学研究科地域連携センター研究員、奈良教育大学教育学部特任准教授を経て現職。博士(文学)。著書に『徳川社会の底力』などがある。