第15回 カウンセリングとモチベーション

投稿者:山極 和佳

みなさんの学校には、スクールカウンセラーという仕事をしている方がいらっしゃるのをごぞんじですか?みなさんが勉強や部活、行事などの学校生活を過ごすにあたって、悩んだり困ったりした時に相談する人です。もしかすると知っているだけではなくて、将来自分もスクールカウンセラーという職業につきたいと考えている方もいるかもしれませんね。

 

スクールカウンセラーをふくめて、カウンセラーという職業につくために必要な学問は、臨床心理学という領域になります。臨床心理学・・・カウンセリングやカウンセラーにくらべて聞きなれない言葉かもしれませんね。簡単に説明すると、「心理学の理論にもとづいて、人が生きていくのを援助することを実践・研究する学問」となるでしょうか。みなさんの身近にいるスクールカウンセラーは、児童・生徒という人たちを援助する人ということになります。

 

カウンセラーは、スクール(学校)だけではなく、医療・産業・教育・福祉・司法といったさまざまな場で活動をしています。たとえば、産業の領域では企業での相談援助活動を行っています。みなさんのご両親が勤務している会社にも、カウンセラーがいるかもしれません。そのほかにも、医療の領域では病院やクリニック、教育の領域では学校以外にも教育相談センターや児童相談所などがあります。このように、カウンセラーの仕事は、活動の場が異なれば、援助を行う対象(カウンセリングでは「クライエント」と呼びます)や内容も多種多様になってきます。しかし、目的は共通で、「クライエントが、自分や自分の問題に取り組み、自分の可能性を十分に発揮させ、自己成長や自己実現に向かっていけるように援助すること」になります。つまり、カウンセリングで行う援助とは、(解決策をアドバイスしたり、できなくて困っていることを代わりにやってあげることではなくて)、クライエントが自分自身の力を十分に使って、その人らしく過ごせるように援助することなのです。

 

さて、いま私は、「自分自身の力」とさらっと一言で書きましたが、私たち人間はそれぞれいろいろな力を持っていて、そのひとつがモチベーションです。モチベーションは、「ある人」と「ない人」がいるわけではなく、だれもが持っているもので、「発揮できているか」と「できていないか」の違いなのです。と言うと、「えー、私はモチベーションがなくて、勉強がやる気にならないよ。」という人がいるかもしれません。でも、そう言うあなたも、部活ではだれよりも早く練習を始めていたり、友達とおしゃべりをするのが大好きだったりしませんか?それだって立派な、部活や友達とのおしゃべりに対するモチベーションですよね。部活や友達とのおしゃべりにはモチベーションが発揮できるけれど、勉強には発揮できていないだけなのです。では、どうしたら発揮できるのか、カウンセリングでクライエントが発揮できるように援助していくのか、その方法を探求する臨床心理学という学問にふれてみてください。

 

山極和佳
山極 和佳 (Waka Yamagiwa)
プロフィール
専門は臨床心理学。臨床心理学、心理療法、カウンセリング論を担当。催眠の意識状態や語彙分析を用いた心理療法過程に関する研究を行う。