第35回 心理学への関心

投稿者:山極 和佳

身長が高い私は、ときどき、「バレーボールかバスケットボールをしていましたか?」と聞かれることがあります。いえいえ、実はこう見えて美術部で絵を描いていました・・・とギャップのある答えをしてみたいところですが、残念ながら(?)見た目そのままバスケットボールをしていました。
 
私は現在、心理学の一領域である臨床心理学という学問を専門としています。そのきっかけの中には、学生時代のバスケットボールの経験から考えたことも少なからず影響していたように思います。
 
 
高校生の頃、「私はバスケットボールをするために学校に行っているのでは?」と思うくらい、朝に、放課後に、また週末に練習をしていました。そうして練習試合や大会に臨むのですが、試合を重ねると不思議に感じるようなことが起きるのでした。
 
チームの中でも身長が高かった私は、センターというゴール近くのポジションだったので、ゴールを狙う機会は多くいろいろな状況がありました。たとえば、目の前に、
1.相手チームの2~3人が立ちはだかっている
2.誰もいない(ノーマーク)
といった具合です。
 
さて、上の1.と2.のそれぞれの結果、ゴールを決めることができたかできなかったかはどうだったでしょうか。もちろん、1.は相手のディフェンス(防御)に阻まれてゴールは決まらず、2.ではゴールが決まる・・・というパターンが多かったです。
 
しかし、1.の場合でも、相手のディフェンスをかわして何とかゴールを決めることができることもある一方で、2.の誰が見ても決めるだろう状況で、ポロッと落としてしまうということが起きるのでした。後者は、拍手しようと手を前に出していた応援している人もびっくり、何より当の私が一番びっくりです(笑)。いわゆる“気のゆるみ”とか、“凡ミス”というものですね。
 
単純に考えた時に、1.と2.の難しさの違いは歴然としています。そのため、毎日の練習では、いかにしてディフェンス(防御)をかわしてゴールを決めるかのための努力を積み重ねるのですが、それで“気のゆるみ”や“凡ミス”がなくなるわけではなさそうでした。そして、バスケットボールに限らない、いろいろなスポーツを見ていると、プロのスポーツ選手のプレーでも“凡ミス”は起こっています。さらに、視野を広げてスポーツ以外に目を向けても、「簡単なことをポロッとミスしてしまう」(たとえば、試験での「ケアレスミス」)ことが起きているようでした。
 
「“気のゆるみ”の“気”って何?」、これが高校生の私が持った関心です。そして、私たちの行動には、意志や努力(はもちろん大切ですが)だけではない、いろいろな心の働きの影響が思っている以上に大きいのではないか、そんな心について知りたい、学びたいと考えたのでした。
 
 
今高校生のみなさんも、毎日さまざまな経験をしていることと思います。部活や勉強、友達とのかかわり・・・その中で、不思議に感じること、それについて思うことや考えることはどんなことでしょうか。それが大学での学びにつながるものかもしれないですね。
 
 

山極和佳
山極 和佳 (Waka Yamagiwa)

プロフィール

専門は臨床心理学。臨床心理学、心理療法、カウンセリング論を担当。催眠の意識状態や語彙分析を用いた心理療法過程に関する研究を行う。