第45回 ストーリーマーケティング

投稿者:篠崎 雅春

第7回では就職活動において3C分析、第23回ではSWOT分析というマーケティングの分析手法を利用することを説明しましたが、引き続き、マーケティングに基づいた就活について考えたいと思います。マーケティングの世界には「〇〇マーケティング」という言葉がたくさんありますが、今回は、ストーリー(物語)マーケティングに沿った就職活動についてご説明したいと思います。
 
広告用語辞典によると、ストーリーマーケティングとは、商品に「モノ」としての価値に加え、「世界観」や「物語性」といった情緒的な付加価値を添加するマーケティング手法のことです。現在の日本においては「こだわりの〇〇」といった商品やサービスが多く見られますが、その背景や製造プロセスを開示し、ストーリー性を持たせることが商品やサービスの価値を高めるために必要となってきました。顔の見える農産物や加工食品、店主の生き様が語られる飲食店などが私たちもよく接する事例です。そこには、事実を結びつけてターゲットにピンポイントで訴求するシナリオが必要となってきます。
 
就活でも同様で、表現は企業によって多少違うかもしれませんが、就活で必ず問われることが5つあります。
1.学生時代頑張ったことは何ですか?
2.どのような壁・困難にぶつかりましたか?
3.それをどう乗り越えましたか?
4.そこからどんな意識・力が付きましたか?
5.それを当社でどう活かしますか?
 
様々な活動を通して自信を持っている学生の中には、往々にして1だけか、せいぜい3までしか言わない学生が見られますが、これでは単なる自慢になってしまいます。企業が本当に聞きたいのは4と5です。ただ、そこに至るプロセスとして1~3までを知る必要があります。必死になって何かに取り組んだ経験が、自分にしかないストーリー、ドラマになります。ただ、そのためには就活前の早い段階から、このようなことを意識し、先を見据えた準備が必要になってきます。
 
 

shinozaki
篠崎 雅春 (Masaharu Shinozaki)
プロフィール
専門:マーケティング
略歴:慶應義塾大学法学部、慶應義塾大学大学院経営管理研究科卒業。凸版印刷消費行動研究室、たくぎん総合研究所経営コンサルティング部、道都大学経営学部を経て、2012年より現職。