第4回 モチベーションの多様性について

投稿者:金塚 基

学校で友達とおしゃべりするのはあんなに楽しいのに、難しい授業を受けたり自分で家で勉強したりすることはなんで苦痛なんでしょうね。 いや、人によってはその逆で、知人と話すことは苦痛でも授業は大好きという人もいるだろうし、授業でも英語は好きだけれど体育は嫌いだとか、またその反対もあり得ます。あるいは、小学生の頃、体育は好きだったけれども今は嫌いで、国語が好きになったとか、個人はもちろん、本人の年齢段階によっても変化しつづけていくともいえます。それぞれの学びに対するモチベーションの高低は、なぜこんなにいろいろで変化に富んでいるのでしょう。 さて、コラム初回の石阪先生に先を越されたネタになりますが、非婚・生涯未婚の時代がやってきましたね(よくわからない人は石阪先生のコラムにGo)。まさに、私の仲の良い知人「Aさん」もその渦中のなかのひとりで、これまで多くの婚活を精力的に展開してきました。 ところがAさん、連戦連敗の苦しみによって婚活へのモチベーションは失われ、日常生活にも影響が出てきてしまい、次第に意欲の低下した毎日を送ることになっていったのです。具体的には、「面会前の極度の緊張⇒ぎこちない会話⇒悲しきお断り」の連続を何度も繰り返すなかで、心に描いていたような淡い赤い糸はみな消えて、”ご先祖様にすがる気持ちさえ失せ果ててしまった”とのことでした。 Aさんは、そのうちにあることに気づきました。それは、婚活の第一歩は「第一印象が大事」であるという単純明快な発見です。それは、相手に与える第一印象(外観)が良くなければ、その後の展開は決してないというシビアな世界の掟でした。 40歳を目前にしたAさん。メンズ・エステ行きで若返りを目標とし、さらに写真館による修正写真をプロフィールに掲載し、来るべき面談に備えたのです。すると、どうしたことでしょう!あれほどいやになっていた婚活が楽しくなったのです。結婚までの手段と考えて気の重い活動であったのが、面談や出会いそのものに楽しさを求めるようになり、前向きな気分になった自分を発見したのです。「これが婚活の真髄だったか…」とひとりでつぶやくAさんです。

 

そうしたAさんの婚活モチベーションの変化を図にしてみましたので、ご覧ください。 婚活世界における単純だが厳しい①掟の気づき(知識の発見)は、②外部からの刺激を与えられるきっかけを促した結果、③婚活に対するモチベーションが上昇し、④行動に変化が生じたといえるでしょう。つまり、モチベーションの上昇とは、タスク(この場合は婚活行為)に対する自己評価、意味づけのレベルの上昇なので、そこに至るまでの一連のプロセスが重要なのでしょうね(だからといって婚活が終わるわけではありませんが)。

 

 

モチベーションの多様性について

 

その他にも、人間のモチベーションには様々な要因が絡み合ってできているので、複雑で奥が深い領域です。あなたの趣味や遊びに耽る背景には、個性的な歴史や自覚していない価値観が潜んでいるのかもしれません。

 

 

金塚基
金塚 基 (Motoi Kanatsuka)
プロフィール
研究テーマは保護者の養護期待に関する社会学的考察です。主に家族単位や地域間での比較研究をおこなっています。