第56回 「国際政治経済学」って何を学ぶの?

投稿者:郭 潔蓉

突然ですが、皆さんは日本をどのように評価していますか。「経済が進んでいる国」、「技術が高い国」、「謙虚な国民性の国」、「安全性の高い国」、「景観がきれいな国」、「勤勉な社会の国」など、色々な評価があると思います。

しかし、これらの評価は何もないところから自然発生的に出てきたものではなく、必ず比較対象があったうえで言えることではないでしょうか。言い換えると、日本以外の国や地域を知ることによって、「日本」とはどんな国なのかが見えてくるということです。つまり、日本を良く知るためには、世界を知ることが欠かせません。

ここまで読んで頂くと、皆さんも少し世界を知りたくなったのではないでしょうか。

私の研究は、簡単に言うと、この「世界を知る」ことを専門としています。専攻名で言うと「国際政治経済学」という学問です。何やら難しい響きがありますが、世界各国や地域で起きている政治的・経済的現象を組み合わせて国際関係や国際社会の状況を分析する学問です。特徴的なのは、分析をする際に政治や経済だけでなく、その国や地域の社会や歴史、文化にも注目をする点です。

私がこの学問に興味を抱いたのは、私自身の生い立ちが大きく影響しています。私は台湾生まれの日本育ちです。人生の三分の二以上を東京という国際都市で育ちました。幼少期から人生の大半を海外で過ごしている私にとって、生まれた台湾と育った日本の関係を知りたいと思うのは、ごく自然のことでした。日本と台湾の関係を調べていくうちに中国や韓国といった近隣諸国との関係も必然的に気になっていきます。そして、東アジアを知れば知るほど、東南アジア諸国との関係にも興味を抱くようになり、いつの間にか東アジア・東南アジア地域を主とした国際政治経済を研究することを仕事にしていました。

よく「好きこそものの上手なれ」という言葉を耳にしますが、強く興味を抱くことや好きなことは、どんなに頑張っても辛くないのは不思議ですね。大学とはそんな「好き」を探しに来るところだと思います。ぜひ、皆さんも大学時代に素敵な「好き」を見つけてください。きっと人生の宝物になると思います。

 

 

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郭 潔蓉(Iyo Kaku)
プロフィール
専門:東・東南アジア地域の政治経済、国際経営環境分析
略歴:ボストン大学大学院国際関係学専攻修士課程、筑波大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了、博士(法学)。代表著書に『グローバル教育の現在』他。