第7回 ”就活”に不安を覚える高校生の皆さんへ ~就活は自分のマーケティング―3C分析をしてみよう~

投稿者:篠崎 雅春

昨今の不況下、学生にとって就職の厳しさがマスコミなどで報道されています。大学3年生だけでなく、入学したばかりの1,2年生にも就職活動に対して漠然とした不安を感じる学生が多いようです。高校生のみなさんも、そんな不安を持っているのではないでしょうか。しかし、自分を商品と捉え、マーケティング手法を駆使すると意外と高倍率の難関企業の内定を取れるものです。もちろん、そのためには準備とそれに要する期間が必要ですが。ここでは就職活動に役立つマーケティング戦略手法のうち、「3C分析」をご紹介します。

 

"就活"に不安を覚える高校生の皆さんへ

 

3Cとは、「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字をとったものです。外部環境である市場と競合、さらに内部資源の自社を分析することから市場機会を見つけ出し、新規事業や新商品開発戦略に活かすフレームワークです。つまり、市場が成長しているとか大きいなど魅力的であること。自社の持っている経営資源(技術や生産、流通チャネルなど)がその市場を取り込むことができること。そして、競合他社がそのような経営資源を持っていないか、市場参入するほどの魅力がないこと。以上の3つの条件が揃った領域が当社が参入すべき市場となります。

これを就職活動に当てはめてみると、「市場」は学生本人が希望する業界や企業の新卒人材市場ということになります。就活でこれにあてはまるのが、「業界・企業分析」です。企業を学生にとって自分を買ってくれる顧客と見たてるのです。当然、売り手は顧客がどういうニーズを持っているのか、それはどういう理由なのかを把握しておく必要があります。そのためには企業が営んでいる事業や仕事の特性を知っておく必要があります。次に「自社」は学生本人の適性、能力です。これは「自己分析」にあたります。学生本人がどのような強み(武器、能力)を持っているか、あるいは弱みを持っているかです。その武器を使って、顧客である対象企業にどのように貢献できるかということです。どのような仕事のシーンでその能力が活かすことができるかまで説明できれば最高です。

 

"就活"に不安を覚える高校生の皆さんへ2

 

ここまでは多くの就活本やセミナーでもいうことですが、ほとんど書かれていないのが「競合」分析です。つまり、目指す企業に応募する他の学生です。人気企業の場合、採用実績校として有名大学がずらっと紹介されているので、大学名だけで気後れしてしまう学生が見受けられますが、企業が欲しいのは大学名ではありません。その組織の中でなんらかの形で貢献してくれる人材が欲しいのです。ただ、過去の実績から有名大学はその確率が高いと思っているだけです。学生個人がそういった人材かどうかは別問題です。そのような場合、自分が持っていて、有名大学の一般的な学生が持っていないものを見つけ出すことが必要となってきます。

 

では、その見つけ方のヒントをご紹介しましょう。地方にある小規模大学の美術学部学生への就活支援での経験です。美術・芸術系の学生は絵画や彫刻が好きで入学し、大学では知識の他に実習を通してデザイン技術やセンスを磨いていきます。また、教員は芸術家が多く、ビジネスにはあまり関心がないというのが一般的です。従来だと、美術教員の採用もそれなりにあったのですが、現在では特に地方においてはほとんど採用がなく、民間就職も苦戦しているというのが実態でした。私が支援した学生は美術専攻学生の中で、とりわけデザイン力があったわけでもなく、学力も高い方ではありませんでした。しかし、芸術系には珍しい押しが強いキャラクターの持ち主でした。そこで彼女にマーケティングの知識や企業での現実を教授したうえで、広告代理店の企画営業職を勧めました。一般的に美術系学生はフェーストゥフェースのコミュニケーションが苦手で、いわゆる「オタク」が多く、広告代理店や印刷会社を志望する場合、ほとんどが制作・デザイナー職です。「営業」と聞いただけで拒否反応を示す学生も少なくありません。一方、企画営業職を希望する学生はほとんどが文系でデザイン力はなく、取引先の前でラフスケッチなど描けません。商談の場でこれができると、納期短縮になり、コストダウンをもたらします。ここの隙間を狙って「私を採用すると儲かりますよ」と思わせる就活を行ったのです。3社応募し、すべて内定という結果で、入社したのは競争率約100倍の地元大手広告代理店でした。
大学の専攻(デザイン)×キャラクター(押しが強い)×マーケティング知識という、一個ずつはさほどでなくても、それらを組み合わせることによって、広告代理店の企画営業職という難関を突破しました。

 

このように、3C分析を行い、足りない部分は補って自分の能力をさまざまな視点から組み合わせて、一番になる切り口(座標軸)を発見できれば、昨今の不景気でも自信を持って就職活動にあたることができるのです。

 

篠崎雅春
篠崎 雅春 (Masaharu Shinozaki)
プロフィール
今まで数々の企業や行政などを巻き込んでプロジェクトをプロデュースし、それを就活や社会人としての成功に導いてきました。私はあなたの「プロジェクトX」のシナリオライターであり、プロデューサーです。