コンピュータの技術の変化には、目覚ましいものがあります。私が学生の頃には、コンピュータといえば大型計算機が主流で、部屋を埋め尽くすほどの大きなコンピュータで、フォートランというプログラム言語を動かしていました。この巨大なコンピュータは大量の熱を発生するため部屋には空調設備が完備されていましたが、それは人間のためのものではありませんでした。コンピュータにデータを入力するときには、USBメモリなどはまだ存在しないため、パンチカードやマークカードを使用して、プログラムの1ステップに対して1枚のカードに記述していくものでした。例えば、プログラムが1000ステップにもなると、カードは1000枚も必要になります。この分厚い紙のカードで書いたソフトを持ち運ぶときには、段ボール箱を何箱か用意して運びます。誤って、そのダンボール箱を落としてしまいカードがばらけたら、さあ大変、カードを最初から順番に並べなおすということになります。そんな苦労をしてでも、コンピュータから得られた結果は、プリンタから印字された数字の羅列だけでした。しかし、その結果が得られることが有難くて、1日かけてコンピュータの計算結果を楽しみにしていたものでした。

現在では、タブレットPCやスマートフォンが登場し、ネットワークを使い、サーバからアップロードやダウンロードをすれば、簡単にアプリやデータ、さらには音楽や動画までも入力することができてしまいます。コンピュータから得られるものは、プリンタから印刷された数字だけでなく、画像や動画、音楽など様々なメディアに対応してくれるようになりました。特に、スマートフォンでは、指で操作が簡単にできてしまう触覚メディアが便利で、多くのゲームソフトにはこの指操作によるものが組み込まれています。

 

一方、私の趣味のスキーも大きく変化しています。学生時代にはスキー部に所属していたのでよく覚えています。スキー板は2メートル以上もの長さがあり、また、ビンディングはブーツをスキー板にはめるとき、手で押さえつける必要があり、たまに指を挟んでケガすることもありました。スキーの流れ止めは皮の紐でできていて、それをブーツにぐるぐると巻き付けて使います。ブーツは革製で、紐を締めてはきます。でもそれは、私の頃にはバックル式にかわり、ブーツもプラスチック製になったところでした。スキーのファッションも面白く、スキーパンツはデモパンといわれる体のラインがよくわかるほどの細くてピッタリしたものでした。帽子はイカ帽といわれるもので、頭にかぶるといかのような形になるためそういわれていました。

現在はカービングスキーが主流で、160センチメートルほどの短いスキー板で初心者でもかなりらくにターンができます。最近はロッカースキーという新雪やパウダーでも簡単に楽しく滑ることができるスキー板が登場してきています。そして、スキーよりもファッション性がよく初心者から楽しめるスノーボードのほうが人気もあります。

 

このように様々な分野において、生活や技術がさらに進歩していきます。そんな中で、私たちは生活しているのですから、私自身ももっと進化して、それを楽しんでいく必要があるとつくづくと感じています。

 

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杉本 雅彦(Masahiko Sugimoto)
プロフィール
専門:ヒューマンインタフェース
略歴:信州大学大学院工学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(工学)。
NICT委託研究/ 革新的な三次元映像による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発に従事。

就職活動では自己分析、業界・企業分析、他の競合する学生の分析が必要なことは、第7回のこの欄「”就活”に不安を覚える高校生の皆さんへ ~就活は自分のマーケティング―3C分析をしてみよう~」に説明しましたのでご覧ください。

http://blog.tokyomirai.ac.jp/m/?p=80

今回は自己分析をするためには学生時代にどのような準備が必要かということを説明したいと思います。

 

自分を知るには必死になって何かに取り組む経験が必要です。それは運動部での活動、大学での学問研究、ボランティア等の課外活動などなんでもかまいません。そういった自分で決めたことをやり遂げるにはいろんな困難があると思います。たとえば運動部だと、いくら頑張ってもレギュラーになって試合に出られないなどです。様々な納得のいかないこと、理不尽と思われることにも遭遇すると思います。ただ、こういった活動を通して、自分がどのようなことだったら理不尽に耐えられるかなど、自分の限界も知ることができます。そのことによって、自分がどのようなこと、環境だったら力を発揮し、頑張れるか、どのようなことには無理なのかがわかります。

 

私は学生にいろいろな活動の機会を提供し、誘っていますが、「今はそんなことができる実力がありませんので、実力がついてから機会をください」と言う学生もいます。そういった学生はその後も力がつきません。チャンスがあればまず行動することが大切です。また、就活生になって初めて私のところに来る学生がよくする言葉に「せめて一年前に先生に会えていたら…」というのもよく聞きます。そんな時は「一年前だったら捉まえていた?」と聞き返します。ほとんどは「その時は気づかなかった」と返ってきます。

 

「チャンスの前髪」という言葉があります。チャンスの神様には前髪しかなく、後ろ髪はない。つまり、躊躇している間にチャンスは逃げて行ってしまうということです。また、「棚からぼたもちを得られるのはその下にいる人だけ」という言葉もあります。チャンスがどこにあるかアンテナを張っている人だけがチャンスを得られるということです。まずは一歩踏み出す勇気をもって飛び込んでみる。そして、チャンスがどこにあるかアンテナを張っておくということがいい経験を積みためには大切だということです。

 

ただし、注意しなくてはならないのは、決して傍観者、評論家であっては力がつかないということです。積極的に深く関わり、責任を持って取り組む当事者になることが大事です。

最後にそのことを歌った歌手中島みゆきの『ファイト』の歌詞の一部を紹介したいと思います。CMなどにも使われているのでご存じのみなさんも多いと思います。

 

ファイト! 闘う君の唄を

闘わない奴等が笑うだろう

ファイト! 冷たい水の中を

ふるえながらのぼってゆけ

 

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篠崎 雅春(Masaharu Shinozaki)
プロフィール

専門:マーケティング

略歴:慶應義塾大学法学部、慶應義塾大学大学院経営管理研究科卒業。凸版印刷消費行動研究室、たくぎん総合研究所経営コンサルティング部、道都大学経営学部をへて、2012年より現職。

私が高校生の頃、大学進学を考える中で自分が将来何をしたいのかが分かりませんでした。自分は何をしたいのか…自分に何が出来るのか…自分には何が向いているのか…いくら考えても明確な答えは出ませんでした。

漠然と将来は会社員になるだろうから経営学とかを学んでおくと良いのではないか、そんな緩い考えで受験する学部を選択したのを覚えています。

そんなフワフワした感じで大学に入学した私は、将来自分が何をしたいかを考える時間を得て、とにかく自分がしたいことを何でもやってやろうと、それだけは決めていました。自分が少しでもしたいと思ったことをアレコレとやっていくことで、自分が本当にしたいことを決められると思ったからです。

まずは勉強です。1年生の時は一般教養科目の中から、面白そうと感じた科目を片端から選択しました。その中で自分自身の基盤となる「哲学」「心理学」「言語学」といった学問に出会うことが出来ました。

そして、スポーツは高校生の頃からやってみたかったアメリカンフットボールを始めました。想像以上に練習がきつかったのでちょっと後悔したのを覚えています。

趣味の領域では、もともと好きだった映画鑑賞から演劇鑑賞にも手をひろげたり、洋楽にどっぷりと浸ってみたりとそれまで経験したことがないことでも「何事も経験だ!」を合言葉に、あまり興味がないことでもアレコレとやってみました。

そして、アルバイトはとても貴重な就業経験となりました。当時はインターンシップがなかったので、アルバイトを通じて社会と触れ、仕事を体験出来ました。時給が良かったので家庭教師と夜間警備のアルバイトは長くやりましたが、他にも街頭アンケート、翻訳、イベント誘導等単発でたくさんの仕事をやりました。マーケティングの会社に登録して単発のアルバイトを時間の許す限りアレコレとやったのを覚えています。

自分が興味あることだけでなく、興味がなくても機会があればやってみる。そんな大学生生活で私は自分というものを創っていきました。

私はこれを「自己創造」と言っています。「自己創造」とは「新しい自分と出会うこと」です。それまで出来なかったことが出来るようになった自分、それまで知らなかったことを知った自分…それまでとは違う新しい自分と出会う喜びを大いに味わい尽くすことで、自分に自信が持てるようにもなりましたし、将来やりたいことも明確になっていきました。

まさに、自分とは“探すもの”ではなくて“創るもの”という経験をした大学生生活でした。

東京未来大学には通常のカリキュラムに加えて様々なプロジェクト活動や独自のインターンシップ等、「自己創造」の機会がたくさんあります。自己創造機会の多さは東京未来大学の大きな特徴の一つです。

将来について明確な目的・目標が既にある人にとっては、大学生生活における「自己創造」は自己実現へと繋がります。将来について明確な目的や目標がある人もない人も、大学生生活でたくさんの「自己創造」をすることをおススメします。

 

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佐久間 俊和(Toshikazu Sakuma)

プロフィール

専門:モチベーション・デザイン

略歴:慶應義塾大学商学部卒業後株式会社リクルート入社、2012年より現職。リクルート社勤務経験から、モチベーション理論と実務の現場を繋ぐ実践スキルの開発・研究をすすめている。

今から1年と少し前の2015年9月10日。私の住む茨城県で鬼怒川が決壊しました。決壊前後,警戒・避難を呼びかける防災無線の声に,あるスピーチが思い出されました。

 

「災害を告げる放送や消防車両の声に,耳の不自由な先生や友にこの知らせは届いているかと案じられました。」

 

これは,私が大学院時代に通っていた手話教室の修了証書授与式で,代表者が行ったスピーチの一文です。その年も雨が多く,手話教室近辺でも川の増水に警戒するようにとの知らせがありました。その知らせを聞いたときの自分が,聾者に対する一般論としてではなく,実体を持った他者への気遣い・案じる気持ちを抱く自分になっていたことを,このスピーチで気づくことができました。そして,その気持ちは,修了証書授与式から10年以上経った昨年の災害時にも確かに残っていたのです。

 

手話教室と,それ以前大学時代に入っていた手話サークルは,私にたくさんのことを教えてくれました。

「おはよう」の手話は,枕にたとえた握りこぶしをこめかみにあて,それを下ろすことで示す「朝」の手話に,両手の人差し指を向かい合わせて指先を曲げる「挨拶」の手話を続けるといった,1つ1つの手話の成り立ち。

手話と口話はいつも一語一句対応させるのではなく,伝えたい意味を考えて変換するとよい(たとえば,手話付きの楽曲「碧いうさぎ」では,「碧いうさぎ」は「色が青いうさぎ」のことを歌ったものではないので,その意味から「淋しいうさぎ」といったように表すとよい)といった表現技法。

そして,何といっても,先のスピーチの例で述べたような,聾者の方と日常を過ごし,ものごとの感じ方の違いを実感したことです。感じ方の違いは,「聞き取る」といった私にできて聾者の方にできないこともありましたし,反対に,聾者の方だからこそできることもたくさんありました。興味深かったのは飲み会でのこと。20人くらいの席で一番端に座っていた私に,私とは反対側の端に座っていた方が手話で話しかけてきたのです。大学の専攻といった世間話でしたが,驚いたのは遠くに座っていたその方と何の問題もなく会話が成立したこと。考えてみてください。飲み会の席で,その方と私の間には20名近い人がいて,それぞれ会話をしていたのです。口で話そうとしたら,騒がしくて互いの声が聞こえず,会話など成り立たないはずです。それが,どんな雑音も気にならず,声を張り上げることもなく会話ができたのは,とても楽しい経験でした。

 

共に過ごし,コミュニケーションをとる中で知る「他者像」はとても豊かなものです。一般論ではなく,実感に基づいた深い理解が私たちの中に形成されていくのだと思います。

人生は出会いの宝庫です。特に行動範囲の広がる大学時代は,たくさんの人と出会うチャンスにあふれています。皆さんが,自分とは違うクラスメート,大学の違う人,国籍の違う人,障がいのある人ない人,年齢の離れている人,……さまざまな人と真摯に向き合い,理解しあっていけることを願っています。

 

 

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小林 寛子(Hiroko Kobayashi)
プロフィール専門:教育心理学

略歴:東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学後、日本学術振興会特別研究員PDを経て現職。博士(教育学)。学習上の不適応の問題に、個別指導や授業改善を通して取り組んでいる。

ここ東京未来大学の立地する足立区は、戦後さまざまな町工場といわれる小規模な事業所が林立していたことでも知られています。

林立していたというのは、以前と比較してその数が減少しているという意味に他なりません。詳しくはわかりませんが、住宅地としての土地利用の規制や不景気による受注件数の減少、また後継者不足などにより今後とも減少が見込まれているようです。

その一方で、依然として元気に経営しておられる町工場さんも存在しており、昨年、私がゼミ生をつれてインタヴューに訪問させていただいた製作所さんは後継者を探している様子でした。その作業場をみせていただいてまず驚くのが、コンピューターを使った機械がまったくなく、存在するのは昭和の時代からの古い製作機械が数台あるだけという光景です。

工場主さん曰く、数年前までCADなどのコンピューター製作機器を保有していたが、意味がなくなったので手放したということでした。うかがってみると、受注の質が大量製作から少量生産へと変化し、ロケットの部品などの精密な希少部品の製作へと業務内容が変わっていったから不要となったようです。

話は変わりますが、私の趣味であるサックスのマウスピースに関しても、現在の技術を用いても最終的には職人さんの手作業でその優劣が決まります。またむしろ、近年製作されたマウスピースよりも、50年前に作られたもののほうが鳴りやコントロールが良く、現在の技術をもってしても、その時代の最高のものを超えられないといわれています。おかげさまで今でもそのような中古品に大枚をはたかされる事態が続いております。

総じて現在、製作技術のみならず、あらゆる分野で人間の労働力の質を超えた機械の技術が浸透し、一方で人間の労働力としての価値は低められる傾向が強くなっています。10年後、20年後、人間の労働力としての価値が存在しうる分野はどこなのでしょうか。そうした絶対無二の価値のありかを求めつつ、日々の生活を送ることを心がけたいものです。

 

 

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金塚 基(Motoi Kanatsuka)
プロフィール
専門:教育学・生涯教育
略歴:早稲田大学教育学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(教育学)。帝京大学福祉・保育専門学校専任講師などを経て、東京未来大学モチベーション行動科学部講師~現在に至る。

突然ですが、皆さんは日本をどのように評価していますか。「経済が進んでいる国」、「技術が高い国」、「謙虚な国民性の国」、「安全性の高い国」、「景観がきれいな国」、「勤勉な社会の国」など、色々な評価があると思います。

しかし、これらの評価は何もないところから自然発生的に出てきたものではなく、必ず比較対象があったうえで言えることではないでしょうか。言い換えると、日本以外の国や地域を知ることによって、「日本」とはどんな国なのかが見えてくるということです。つまり、日本を良く知るためには、世界を知ることが欠かせません。

ここまで読んで頂くと、皆さんも少し世界を知りたくなったのではないでしょうか。

私の研究は、簡単に言うと、この「世界を知る」ことを専門としています。専攻名で言うと「国際政治経済学」という学問です。何やら難しい響きがありますが、世界各国や地域で起きている政治的・経済的現象を組み合わせて国際関係や国際社会の状況を分析する学問です。特徴的なのは、分析をする際に政治や経済だけでなく、その国や地域の社会や歴史、文化にも注目をする点です。

私がこの学問に興味を抱いたのは、私自身の生い立ちが大きく影響しています。私は台湾生まれの日本育ちです。人生の三分の二以上を東京という国際都市で育ちました。幼少期から人生の大半を海外で過ごしている私にとって、生まれた台湾と育った日本の関係を知りたいと思うのは、ごく自然のことでした。日本と台湾の関係を調べていくうちに中国や韓国といった近隣諸国との関係も必然的に気になっていきます。そして、東アジアを知れば知るほど、東南アジア諸国との関係にも興味を抱くようになり、いつの間にか東アジア・東南アジア地域を主とした国際政治経済を研究することを仕事にしていました。

よく「好きこそものの上手なれ」という言葉を耳にしますが、強く興味を抱くことや好きなことは、どんなに頑張っても辛くないのは不思議ですね。大学とはそんな「好き」を探しに来るところだと思います。ぜひ、皆さんも大学時代に素敵な「好き」を見つけてください。きっと人生の宝物になると思います。

 

 

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郭 潔蓉(Iyo Kaku)
プロフィール
専門:東・東南アジア地域の政治経済、国際経営環境分析
略歴:ボストン大学大学院国際関係学専攻修士課程、筑波大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了、博士(法学)。代表著書に『グローバル教育の現在』他。

数年前まではIT(Information technology;情報技術)だったのが、ICT(Information and Communication Technology;情報通信技術)に変わり、最近では、IoT(Internet of Things)あるいはIoE(Internet of Everything)という言葉も見かけるようになりました。意味は、様々なモノに通信機能を持たせ、自動認識や自動制御、遠隔操作といったことが可能になることらしいです。まぁ、家電や車、自動販売機にもICTが利用されていますしね。なにやら、情報通信技術の発展は目覚ましいものがあるなぁ~、とニュースで、『ポケモンGo』の世界での人気ぶりを見ながら考えた。『ポケモンGo』(GPSの位置情報を利用し、モンスターを捕獲するゲームらしいです)の人気は凄まじく、アメリカでは、一日あたりの売上が160万ドル(約1億6,000万円)にもなるっていうのだから景気の良いお話です。その経済効果は株式市場にも影響し、ニンテンドーの株価も急騰したとのこと。ポケモンはしたことありませんが、その人気ぶりは目を見張るものがあります。今更ながらプレイした方が良いのだろうかと、逡巡してしまいます。まぁ、ボーカロイドの『初音ミク』の海外コンサートや浄瑠璃とのコラボにも驚きましたが、経済ニュースで取り上げられる『ポケモンGo』って凄い。いや~、デジタルコンテンツの波及効果って、凄い。ちなみにボーカロイドは、ここ最近、参考書とコラボしてましたので、思わず購入しました。などと書いていると、誤解を招きそうなので、少し説明を。

さて、『ポケモンGo』の経済効果もさることながら、ゲーム世界を現実社会に持ち込んだことにより、良くも悪くも実社会に影響を与えたこと――世界規模での社会現象の様相――に改めて考えさせられた。『ポケモンGo』は、屋外に繰り出して、捕獲モンスターを探す必要があり、実際に人が移動する。そのため、活用すれば特定の飲食店や商店街への誘導が可能である。実際、配信国のある飲食店は、週末の売上が倍増したらしいし、モンスター捕獲ツアーも盛況とのことである。これは新たな広報手法やビジネスになり得る。その一方で、携帯端末を確認しながらの移動のため、注意は散漫になる。そのため、歩きスマホ同様に事故や事件に発展することが十分に考えられる。やはり、配信国では、置き引き被害や落下事故などが起こっているらしい。また、立ち入り禁止地区に進入した事例も報告されている。『ポケモンGo』は、今後の同様の手法を用いたコンテンツが現われることを予見させる。

なんて、書いていると内容、文字数ともに怪しくなるので、終わらせます。まぁ、重大と思えないことが、実際は重要であったり、知らないところで関係しあっていたり、物事には一長一短があるということを改めて認識して貰えればと思います。大学での勉強も、すぐに役立つというよりは、時間が経ってから必要性を感じさせられるものですので。

 

本当は、デジタルコンテンツの話から、学習指導要領の改訂とICT活用について書こうかと思ってましたが、やめました。なお、今現在小学校でのプログラミング教育の導入が検討されているようですが、プログラミングを習得するというよりも、論理的思考力を養うことに主題が置かれているようです。そのため、他の科目と関連付けて、プログラミング教育が行われることになるようです。これも長期的な学習効果を狙ったものといえるかも知れません。

 

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岩﨑 智史(Satoshi Iwasaki)
プロフィール
専門:認知心理学
略歴:立正大学大学院心理学研究科博士後期課程修了。東京未来大学 こども心理学部助手、同助教を経て現在、東京未来大学モチベーション行動科学部講師。

7月になり大学の春学期の授業もあとわずか。8月の試験にむけて、学生もそろそろソワソワする時期です。本日は、そんな「試験」にまつわる話をしようと思います。

 

第20回の教員コラム「よく学び、よく遊び、そして、よく活かせ」にも書きましたが、私は高校生のとき、あまり、勉強が得意なほうではありませんでした。そのため、試験期間は憂鬱でした。得意ではないと思い込んでいるので頑張らなければと気持ちは焦る一方で、効果的に勉強をしていないので知識が頭に入っていかない。

 

すると、試験の前に限って、眠くなる。

 

そして、「ちょっと仮眠を…」と自分に甘い言葉をかけてベッドに横になり、気づくと翌朝、ということが幾度となくありました。試験が始まる前の友人との会話では、いつも「昨日寝てしまった」と話していました。あまりにその頻度が多いせいで、いつからか、友人のほうから先に、「また寝ちゃったんでしょう」とニヤニヤしながら言われたこともあります。

 

大事な試験の前に「寝てしまった」「テレビを見てしまった」「掃除をしてしまった」など、自分には勉強できなかった状況(ハンディキャップ)があったと周囲に言ったり、あるいは本当に寝てしまったりすることをセルフ・ハンディキャッピングといいます。

 

セルフ・ハンディキャッピングをすることで、失敗してもハンディキャップのせいであり、自分の能力のせいではないと思ってもらえれば、周囲からの自分の評価を下げることはありません。また、もしハンディキャップがあっても成功すれば、なんてすごいんだと周囲から賞賛されるわけです。同時に、自分自身に対しても「自分って、結構やるじゃん」と思えるでしょう。そうやって、私たちは自尊感情(自分は価値がある人間であると思える感情)や自己肯定感(長所だけでなく短所を含めて自分を認められる感情であり、自尊感情とほぼ同義)を維持したり、高めたりしているのです。

 

しかし、あまりにセルフ・ハンディキャッピングをしすぎてしまうと、私のように「この人は言い訳ばかりで努力をしない人」というレッテルを貼られてしまいます。一度、レッテルを貼られてしまうと、その印象を払拭するのは難しいものです。「不利益をこうむる可能性があるから、この人との付き合いはやめよう」と思われてしまえば、挽回のチャンスさえありません。コミュニケーションが行われなければ信頼関係を築くこともできません。保身から出た「ちょっとした言い訳」が対人関係に影響を与えてしまうのです。

 

さらに、セルフ・ハンディキャッピングは、自分のモチベーションにも影響を与えます。自分が取り組むべき課題に対する自己評価が低いためにセルフ・ハンディキャッピングをするのですから、自分で自分に「乗り越えられない壁」を作ってしまっています。その壁を乗り越えなければ、いつまでたっても自尊感情は高まりません。「この状況では失敗しても仕方ない。失敗するならやらない。」という具合に、チャレンジへのモチベーションを失ってしまいます。そしてそれは、「失敗から学ぶ」機会を奪い、「失敗を乗り越えて成功する」機会をも奪います。その課題で成功しなければ、自己評価は低いまま。一生セルフ・ハンディキャッピングをし続けることになるやもしれません。

 

対人関係にも自分のモチベーションにも影響を与えるセルフ・ハンディキャッピングはやめたほうがよさそうです。自己評価も他者評価も対人関係も、悪いよりは良いほうがいいですから。

 

しかし、それでも、ついつい、セルフ・ハンディキャッピングをしてしまいそうになる。「時間がなくて・・・」「知識不足で・・・」と。そんな時、私は、自分の中にある問題点を見つめるようにしています。「時間がないのは、時間管理ができていない自分の責任。」「知識不足なのは、知識を補おうとしてない自分の努力不足。」これらを他者に話すことは、時間管理力のない人間、努力不足の人間であると自らアピールしているようなものですよね。これを意識すると(半分ぐらいは)言い訳の言葉を呑むことができます。

 

自分が何を目指しているか考え、

それを実現した自分を思い描き、

そこへのチャレンジを邪魔するのはセルフ・ハンディキャッピングだと認識し、

もしセルフ・ハンディキャッピングをしてしまいそうになったら自分を他者の目で見つめる。

 

もし私と同じようにセルフ・ハンディキャッピングをしてしまいがちな人は、上記の方法を一度試してみてください。この4つのステップはWOOP(ガブリエル・エッティンゲン著「成功するにはポジティブ思考を捨てなさい―願望を実行計画に変えるWOOPの法則」講談社)という方法を利用しています。

 おっとそろそろ会議の時間。今日の議題、時間がなくて資料が十分ではなくてすみません、というお決まりのひとことはやめておくことにしましょう。

 

iso_yukiko
磯 友輝子(Yukiko Iso)
プロフィール
専門:対人社会心理学
略歴:日本大学国際関係学部、名古屋大学文学部卒業。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。同大学院助手、本学こども心理学部講師、准教授を経て現職。

今日、日本の多くの地域では、少子高齢化の進行にともなう人口減少が進みつつあるといわれています。都内の商店街を歩いてみても、地方の農山村を訪れてみても、確かに、子どもや若者たちが少なくなったと実感することが多くなりました。人口減少は、コミュニティの崩壊、生活基盤の脆弱化につながるとの懸念もありますが、反面、縮小しつつあるコミュニティや地域生活のあり方をあらためて考え直し、それらを現状に即したかたちに再編、再生させていく意欲的な取り組みも数多く紹介されています。かつてのように、大規模な事業で地域を潤すことは難しくなりましたが、ユニークな発想・アイデアをもった若者たちが、行政や市民団体、企業などと連携して、地域社会に新しい風を吹かせる、そんな「元気なまち」が、いま、数多く生まれつつあります。

 

東京未来大学は、今年、開学10周年を迎えました。足立区千住曙町にキャンパスを置いて、ちょうど10年がたったわけです。この間、足立区は本当に大きな変貌を遂げたといってよいでしょう。治安の悪さや学力の低さなど、区の積年の課題といわれていたことも大きく改善され、最近では、むしろ、若者たちが住んでみたい、訪れてみたいまちへと、これまでの区のイメージを大きく変えつつあります。なかでも、北千住エリアは「住みたいまち」ランキング18位、「穴場だと思うまち」ランキング堂々2年連続1位(民間企業の調査結果)となり、今や5大学を有する都内有数の「元気なまち」へと生まれ変わりました。

本学も区内大学の一つとして、開学以来、足立区役所や地元の企業などとさまざまな取り組みを進めてきました。私の研究室も「ふりポテ」や「大人のウエハース」など、産・学・公・金連携による新商品の開発をはじめ、地元の企業、NPOや経済団体と足立区を元気にする活動に数多くかかわっています。ちょうど先週も、区内で昔遊びの普及に取り組んでいる「ベーゴマ普及協会」(NPO法人寿活支援協会)のみなさんにお越しいただいて、学生たちと(ベーゴマを通じて)交流し、子どもの居場所づくりについて意見交換をしたところです。子どもたちが暮らしやすいまちにしていくために、何ができるのか。老若男女がコマまわしを通じていっしょに考えるとても楽しいイベントでした。

 

少子高齢化は、確かに難しい課題を数多く含むものです。しかし、それをネガティブなものととらえるのではなく、むしろ「少ない子ども(若者)」と「地域で活動する高齢者」とを結びつける試み、つまり、少子と高齢とを連携させた新たなまちづくりへとつなげていく可能性をもったものと位置づけてみるのもよいかもしれません。これからの地域コミュニティは、(人口においても、規模においても)確実に縮小していくことになります。こうした「縮小する社会」のもとでは、たとえば、これまで10人でしていたことを3人でしなければならなくなるわけです。役割や仕事を共有していくためにも、世代をこえた新たな協働、連携は不可欠です。まちづくりは、むしろ、私たち自らが、こうした社会の到来に備えて、意識改革を図ることでもあり、また、世代間交流や産学公連携の意義や手法を皆で考えることでもあるといえるのではないでしょうか。「まちづくりは、ひとづくり」といわれますが、将来のまちづくりの担い手を育成・輩出する大学の役割も、今後ますます大きくなっていくことでしょう。

 

画像1:産・学・公・金連携による東京未来大学発の新商品「ふりポテ」

furipote

 

画像2:ベーゴマを通じて地元のNPOと交流する学生たち

ベーゴマ1

 

ベーゴマ2

 

 

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石阪 督規(Tokunori Ishizaka)
プロフィール
専門:社会学
略歴:広島大学大学院修了後、三重大学講師、准教授を経て現職。多くの自治体で、まちづくり、産業振興、男女共同参画などの審議会委員を歴任。著書に『ニートを救う地域のネットワーク力』など。

最近小売店舗で買い物をする際に「○○カードはお持ちですか?」と定員さんに聞かれることが増えてきたと思いませんか?これらは一般的にロイヤルティ・プログラムと呼ばれています。飛行機に乗ればマイレージが貯まることは皆さんご存知だと思いますが、この仕組みを小売店舗で採用したものです。ただ単にポイントが貯まるだけでなく、顧客を特定し(IDを付与し)、購買内容もデータとして記録し、蓄積することによって、「誰がどのような買物をしているのか」がつぶさに把握できるような仕組みが開発されています。

 

そもそも、なぜ、このような仕組みが開発されたかと言えば、スーパーマーケットを代表とする多くの小売業では従来から大量の折込チラシを配布し、このポイントカードは更なる価格誘因を目的とした販促手段として採用されてきました。しかしながら、新聞購読世帯数は減少しつつあり、チラシの到達率(閲覧率)もそもそも高くないのですが、さらに低くなりつつあるのが現状なのです。こうした旧態依然たるやり方では効果は見込めないだけでなく、大きな社会的なロスといえます。そこで、単なる価格誘因としてのポイントカードを脱して、顧客毎の購買データに基づいて、情報発信する「one to oneマーケティング」を実践できる仕組みとして注目され発展したのです。

 

さらに、年々成長し続けるインターネットでの購入を思い起こしてください。これはカードなしでも顧客毎の購買データが収集できる仕組みに他なりません。ネット小売業に対抗するためには、店舗小売業も同様の仕組みを構築せざるを得なかったのです。顧客毎にその顧客に相応しい販促情報を提供し、よりロイヤルな顧客を育てようと意図されています。業界を超えてこの目的を達成しようとする提携(いわゆるポイント互換)も進んできました。さて、この購買データベースを活用した新しい手法の背景にあるのは、売り手が勝手に販促を考え、誰であろうが構わずに売り手の都合で売るという発想ではなく、買い手の買い方に沿って、買い手の立場から購買をサポートしてあげよう、という発想の転換です。「販売促進ではなく、購買促進を」なのです。より効果的な販売を目指すならば、より正確に購買の実態を捉え、そこから得られた知見や仮説で動機づけする。まさに一人一人の顧客に適応した「購買のモチベーションを高める」ことが現代のマーケティングなのです。

 

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渡邊 隆之 (Takayuki Watanabe)
プロフィール
専門:マーケティング、消費者行動
略歴:早稲田大学大学院商学研究科博士前期課程修了。(株)イトーヨーカ堂を経て、学習院大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。(財)流通経済研究所理事、創価大学・沖縄大学教授を経て現職。