「教材研究」の大切さと面白さ

2019年7月12日 投稿者:木内 菜保子

 幼稚園や保育所の子どもたちは、いっぱい遊びます。その遊びは、子どもにとっては感動する喜びを感じる体験であったり、新しい発見や学びを得るものであったり、様々な意味を持ちます。幼稚園や保育所の先生たちは、その遊びがより充実したものになるよう、いろいろと考えを巡らせます。また考えるだけでなく、同時にいろいろと試行、実験も行います。これを「教材研究」といいます。
 さて、私は大学で造形表現分野の指導法や幼稚園教育実習を担当しています。指導法では演習があればその内容は事前に「教材研究」します。しっかりと教材研究をしていないと、用意が不足したり、時間内に大切なことをすべて伝えることができなくなったりしてしまいます。そして時には、一般の親子などを対象にワークショップを開いたりしています。このワークショップも行う内容を事前に研究しておきます。必要な時間や材料などの見積もり、難易度の確認など、しっかりと研究しておくことが準備には重要です。授業でもワークショップでも、「教材研究」は成功の秘訣です。
 教材研究は、失敗と発見の体験でもあります。最近、面白さを感じたものの1つは、宝石石鹸作りです。一般的には食紅を使ってグリセリン石鹸を着色しますが、この着色に発見がありました。粉状食紅は、だまになってきれいに溶けません。なんとか溶かしきってみると、優しいきれいな色の石鹸にはなります。ただ、溶かすのはとても大変です。そこで、液体食紅に変えてみたところ、きれいに混ざり、しかも簡単です。しかし、色によっては退色が早く、1週間ほどでまったく違う色に変わって見えてしまいます。過程も結果も、かなり違いがあることを発見しました。このような発見の楽しさに、毎夜(いろいろな校務を終えた後に教材研究をするので、たいてい日没後の出来事)、にやにやしながら溶けたグリセリンをかき混ぜていました。
 先生の生活の目立たないところに「教材研究」はありますが、とても大切なものです。そして、それには面白さがたくさん隠れています。
 
 

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木内 菜保子(Naoko Kiuchi)
プロフィール
専門:幼児教育
略歴:岡山大学大学院教育学研究科学校教育専攻修了後、中国短期大学、川崎医療短期大学、関西福祉大学の非常勤講師を務め、2006年中国学園大学子ども学部専任講師、2010年同大学准教授を経て、2011年より現職。