小学校英語教科化:指導者は何をするのか?

2020年1月10日 投稿者:執行 智子

 2020年度からいよいよ「外国語(英語)」が小学校の教科として始まります。これに伴い、小学校の先生方にとっても、小学校教員養成課程を持つ大学にとっても、とても大きな変革があります。
 まず、小学校の先生方は、英語も他の授業同様に評価をしなければならなくなります。評価を行うということは、明確な目標を持って、授業を行い、どのような効果があったのかを測ると言うことです。「小学校の外国語活動は楽しかったのに、中学校のようにテストするようになると、面白くなくなるんじゃないの」といった声も聞こえそうですね。しかしながら、そんなに簡単には児童の英語力は測ることができません。例えば、母語を学び始めの1〜2歳児の母語能力をテストで測ることができるでしょうか。外国語学習や習得においても同様です。入門期の学習者が沢山英語の単語を覚え、それをテストで言えたり書けたりしても、それを英語力が向上したことと捉えることは難しいのです。特に、子どもにおいては、学習者本人の学習の捉え方で、暗記のみを確かめるテストは、信頼性が高いとは言い難いと思います。担任の先生方にとっては、どのように評価するのかを決めることは大変な問題だと思います。
 次に、小学校教員養成課程を持つ大学では、英語の教育法と英語そのものについての知識や技能についての科目が必修となります。実際には、英語能力検定試験の2級程度の英語力が必要とも言われていますが、それにとどまらず、英語とその文化、さらに子どもが必要とする言語と言語使用に関わる知識に精通している必要があるということです。日本に生まれ、日本の文化の中で日本語で育ってきた私たちにとっては、このことを学ぶことはとても大変なことです。
 このように、小学校の先生方や小学校養成課程に所属する学生にとっては、これまで経験をしたことのない評価や学習が英語の教科化とともに始まりますので、周囲の方たちは、温かく見守っていただきたいと切に願っています。
 

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執行 智子(Tomoko Shigyo)

 

プロフィール

専門:第二言語習得・初等英語教育
略歴:津田塾大学文学研究科後期博士課程単位取得満期退学。外国語活動コーディネーター、小学校教員研修講師などを経て現職。小学生から大学生までの英語学習を概観、初等英語指導者に必要なことを研究。