未曾有の危機の直中で,考え方の癖を考えてみる

2020年4月24日 投稿者:鈴木 公啓

 現在,新型コロナウイルスにより,世の中が非日常となってきています。そのような中,心理学は何ができるのでしょうか。心理学を学んで役に立つことがあるでしょうか。
 実は,心理学はこのような時こそ役に立ちます。もちろん普段も役に立つのですが,このような有事の時にこそ,その真価を発揮することができるといえるでしょう。
 「正常性バイアス」という言葉は,ニュースでも取り上げられるようになったので,見聞きしたことがある人も多いかもしれません。我々の考え方の癖のひとつです。外出自粛などが叫ばれる中,なぜ平気で外出する人がいるのか,その理由(の一つ)がわかるのではと思います。(せっかくですので,その内容は皆さん自身で調べてみてください。)
 正常性バイアスをはじめ,このようなことが生じうると知ること,そのものが大事だったりします。我々は常に合理的に物事を判断しているわけではありません。何かしらの癖にしたがって考えています。その癖について知ることは,適切な判断をおこなううえで重要だと考えられます。
 我々は正常性バイアス以外にも,考え方の癖を持っています。以下の文章を読んでみてください。
 
———————–
 金剛寺さんは,熱血で日々身体の鍛錬も怠らず,また,敏腕デカとの評価を受けている警察官です。熱血ではあるものの冷静沈着さを忘れず,大胆かつ慎重な行動で,署の皆にも信頼されています。金剛寺さんが夜勤をしていたある日,交通事故の通報がありました。親子のドライブ中の交通事故で,父親は即死,子どもは重体だというのです。金剛寺さんは現場に向かった時にその子どもの顔を見てアッと驚き,その場に立ちすくんでしまいました。その子どもは,金剛寺さんの息子だったのです。
 さて,ここで問題です。金剛寺さんと,即死した父親,重体の子どもはどのような関係でしょうか。
———————
 
 皆さんはわかりましたか? なかなか答えにたどりつかなかった人もいるかもしれません。いかに我々の考え方に癖が生じているのか,実感できたのではと思います。
 さて答えは……。
 
#一日も早く日常が戻ってくることを祈念いたします。
 

鈴木公先生
鈴木 公啓(SUZUKI Tomohiro)

 

プロフィール

専門:パーソナリティ心理学、社会心理学
略歴:東洋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了〔博士(社会学)〕。東洋大学や明治学院大学等の非常勤講師、東洋大学HIRC21のPD研究員を経て現職。