私の専門領域「障害児保育」との出会い(岡本明博先生)

2015年6月4日 投稿者:岡本 明博

 私はこれまで、発達や育ちに支援を要する子どもの保育と、その保護者の相談支援を中心に実践と研究を行ってきました。私が初めて就職したのは、児童発達支援センターという障害のある乳幼児の支援と、その保護者の相談支援を専門的に行う児童福祉施設でした。その施設は足立区にあり、アジアでの障害児の発達支援をリードする役割を担ってきました。

 私はその児童発達支援センターで、尊敬する園長先生や先輩方から、障害のある子どもの支援についてのミッションと実践を学びました。障害のある子どもや保護者も私に沢山の学びを与えてくれました。そして、そのセンターでモンテッソーリ教育と出会い、子どもの発達を支援するには教具が必要であることも学びました。それ以来、モンテッソーリ教具や障害のある子どもの保育研究に取り組んでいます。

 モンテッソーリ教育は、幼児の心身の内発的な発達要求に応じつつ、「準備された環境」の中で1人ひとりの子どもが独自の創造性と喜びに満ちた活動を展開できるように援助を行います。特に、感覚教育では幼児の触覚、視覚、聴覚、嗅覚、味覚に訴えながら「感覚教具」によって感覚器官を洗練することがめざされ、幼児の人格の基礎をなす心身の秩序観を形成するための援助が行われます。

 私は教育・研究の関係で、幼稚園や保育所を訪問することがあります。ある園で子どもの行動を観察していたところ、手の操作がぎこちない子どもがいました。

「皆さんは不器用な子どもに会ったことがありませんか?」

私はその子どものことがきっかけとなり、今では道具を取り扱う子どもの手の操作について、筆記を中心に研究しています。筆記は学習の基礎になるものであり、幼児期に適切に筆記具を扱うことができるようになっていれば、就学後の学習へ円滑に移行することができると考えます。

将来的には、子どもの発達段階に応じて、障害のある子どもだけではなく、定型発達の子どもも遊びを通して学習することができる幼児の筆記プログラムを考えたいと思っています。

 

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岡本 明博(Akihiro Okamoto)
プロフィール
筑波大学大学院修士課程教育研究科修了。児童発達支援センターで統合保育、障害乳幼児の発達支援及び保護者の相談援助に従事。その後、長崎純心大学人文学部准教授を経て現職。専門は障害児保育臨床学、モンテッソーリ障害児教育学。