こども心理学部と専門領域の関連性(小林久美先生)

2015年10月2日 投稿者:小林 久美

こども心理学部というと、文字通り子どもの心理を学ぶ学部ですから、心理学が専門の教員ばかりだろうとイメージされますが、私は、家庭科教育(生活を教える「家庭科」について研究すること)を専門としています。
 
家庭科というとほとんどの人が衣食住を思い浮かべるでしょう。そして、その誰もが、衣食住を基盤として正しく生活することが重要だと分かっています。例えば、何か病気になった時に規則正しい生活をしましょうと医者に言われたりしますね。しかし、この規則正しい生活というものは、身体だけに影響するのではありません。
 
私の調査では、食事時間や睡眠時間などの生活時間を一定に保つことは、学業に関わる学習態度にも影響があることが示されました。このことを含めた大学生の生活スタイルと学習態度・意欲の関わりについては、先月、ポルトガルで行われた学会で発表して来たところです。
 
当たり前のように思えるかもしれませんが、イチロー選手のような偉業を達成しつつあるスポーツ選手も、ノーベル賞のようなアカデミックな業績を残された人々も、結局は子ども時代からの生活スタイルが規則正しく、睡眠や食事の内容だけでなく、心身ともに高度な学習を達成できる生活時間を構成することに成功して来たということなのでしょう。現代社会では、ともすると経済優先であったり、個人の欲求が拡大されたりと、生活スタイルを維持することはかなり難しく感じる事情が山積しています。結局、大人が生活スタイルを確立できないと、子どもも望ましい生活スタイルを確立することはできません。
 
子どもの心身状態や、学習の条件付けには、このように生活スタイルの確立が基本的に重要ですから、心理学や教育学を駆使し、子どものモチベーションをあげて、学習成果を上げるには生活という課題を科学的かつ多面的に研究することが必要になります。
 
なんだか最近学業や仕事に対するやる気が出ない、思うように成績や業績がのびない、と悩んでいる人は、まずは、生活を規則正しく送るようにしてみてはいかがでしょうか。きっと、何かよい変化が見えてくるはずです。
 
ミーニョ大学
 
 

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小林 久美(Kumi Kobayashi)
プロフィール
[経歴]専門は家庭科教育。福岡教育大学大学院教育学研究科家政教育専攻修士課程修了。九州女子大学助手、講師を経て現職。[著書]『家庭科の授業をつくる授業技術と基本知識』。