第104回 タコの山のすべり台について

2020年6月4日 投稿者:金塚 基

 東京未来大学の位置する足立区には、多方面でオリジナルな歴史をもっています。
 そのなかのひとつに「タコの山のすべり台」があります。
 タコの山のすべり台とは、ご存知のように地域の公園に設置された大きめの遊具であり、その形状から多くの子どもたちから人気を得ており、全国的に広まっているすべり台のことです。子どもの心と体を駆使した遊びを支援する有力な遊具として、今となっては不動の地位を築いているといわれています。そして、足立区関係者によれば、全国でこの遊具が昭和40年頃初めて設置されたのが足立区内の公園だとされているのです。
 さて、公園などのこうした遊具は、政令では「遊戯施設」とよばれており、その設置や管理に関して厳格なルールが定められています。例えば、国土交通省の指針ではその設置場所について、公園内のみならずその周囲の環境(交通、付近の障害物、日照状況など)を含めた安全性への配慮が定められており、遊具自体にも遊びのなかで身体の一部が挟み込まれない、衣服がひっかからないなど細かい事故対策が求められています。メンテナンスを含めて、幾重もの管理基準と大きな公的予算を得てあのタコさんは公園内に君臨しているのです。
 ある日、子どもたちが帰宅して静まった区内公園のタコさんに私も近づいてすべり台部分に足をのせると、急角度のせいか途端に滑り、体と顎を台に打ちつけてしまいました。切れた顎は縫合し、肋骨を骨折しておりました。その2週間後にですが、何かをあきらめきれない私は、今度は自ら台を滑ったところ、感覚想定外の急角度にひるんで手をついたため、指が巻き込まれて突き指骨折していまいました。子どもにとって遊びのモチベーションを飛躍させるタコさんは、私にとっては残念ながら妖怪のオクトパスに変貌していたのです。
 考えてみれば、遊戯施設は「児童」を前提とした諸規則で安全管理がなされており、そこに成人は対象とされていません。昨今、私たちは新型コロナによる影響で新しいルールによる学校生活や授業参加を余儀なくされています。是非、それらのルールの全体的な目的や方針をよく理解した上で、失敗のないようにお過ごしください。
 

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金塚 基(KANATSUKA Motoi)
プロフィール
専門:教育学・生涯教育
略歴:早稲田大学教育学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(教育学)。帝京大学福祉・保育専門学校専任講師などを経て、東京未来大学モチベーション行動科学部講師~現在に至る。